煩悩の果てに辿り着いた仏教という場所――「お慕い申し上げます」(朔ユキ蔵)

「坊主マンガ」というジャンルがありまして。「ありまして」といっても僕が勝手にいっているだけなのですが、実際パッと思いつくだけで、住職のほか、神主、牧師の息子たちが織りなすコメディ「さんすくみ」(絹田村子)、OLと僧侶の恋物語「5時から9時まで」(相原実貴)、お坊さんの生活などを描いたエッセイ「坊主DAYS」(杜康潤)など、今坊主モノの作品というのはけっこうあるんです。

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「※ただしイケメンに限」らない、ゴリラ系男子の恋と友情――「俺物語!!」(作画:アルコ/原作:河原和音)

「男は(あるいは女は)顔じゃない」というのは恋愛物語における錦の御旗のひとつです。物語としての恋愛は、当事者間の絆の唯一性をいかに説得できるかというミッションを背負っていますので、「美形である」という代替可能性の高いファクターが敬遠されるのは自然の摂理といってもいいでしょう。

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レビュー:女子の本音マンガの最終兵器、モテ系女子のぶっちゃけトーク――「アラサーちゃん」(峰なゆか)

「アラサーちゃん」(峰なゆか)

女の子のぶっちゃけ話というのは、男にとって怖いんだけど聞いてみたいものでして。いざ聞けばたいがい手厳しいご意見で、いつの間にか「だからお前はダメなんだ」という説教を食らうハメになっていて、「好奇心、猫を殺す」っていうのはこういうことかと歯がみすることになるのが常なんですが、それでもしばらくすると、やっぱり覗き見たいという気持ちがムクムクとわき上がってくるから不思議なものです。ドMでしょうか、いいえ、誰でも。

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