新たな題材を得た、王道スポ根マンガ――「ボールルームへようこそ」(竹内友)1巻

ずいぶん前に、友人の母親に聞いた話がある。彼女はすでに鬼籍に入られたが、生前は競技ダンスの選手だった。もちろんアマチュアではあるけれど、その世界ではわりと名前を知られた存在だった人だ。

そのときの話で驚いたのは、社交ダンスの一部である競技ダンスは、もはやダンスであってダンスではないという部分だった。つまり、“美”を追求していたものが時代とともに変化し、アクロバティックであればあるほど賞賛される“スポーツ”になってしまったのだという。当然、選手はみな若く筋骨隆々のアスリートばかりである。

そんな競技ダンスの世界を描いたのが本作、「ボールルームへようこそ」だ。

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生きることは、他者の命を奪うという確認――山賊ダイアリー(岡本健太郎)

フランス語のジビエは、狩猟によって捕獲された鳥獣のことらしい。簡単にいえば野性肉のことで、文字どおりグルメな人たちの垂涎の的である。日本にも専門店があるぐらいだから、確たるニーズがあるということだ。食べた経験はないが、うまいらしい。

何でもそうだが、人工モノより天然モノのほうが美味なのは当然といえば当然だ。身近なところでは、ウナギ。生まれて初めてガチの天然ウナギの蒲焼きを食したときには、「今まで食ってたやつは何だったんだ?」な感覚を覚えたものである。それぐらい違う。

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けっこうレア? 藤島康介、Twitterで怒り顔のベルダンディーを公開

24日夜、「ああっ女神さまっ」などで知られる藤島康介氏がTwitterにて「私は41RTされたら怒り顔のベルダンディーを描きます!(`・ω・´)絶対です! http://shindanmaker.com/243043 ぷりぷりと?」と投稿。30分足らずのうちに500回を超えるRTを記録し、宣言から20分ほどで怒っている「ああっ女神さまっ」のベルダンディーが描かれたイラストを公開した。

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少年マンガ中心のフランスに少女マンガの風? 萩尾望都、ネコミミ・浴衣姿で花の都パリに!

「11人いる!」「トーマの心臓」などで知られる日本を代表する少女マンガ家・萩尾望都が、「Japan Expo」 (7月5日~7月8日)に登場した。

Japan Expoは毎年この時期にフランス・パリで行われている欧州最大の日本文化イベントで、アニメやマンガ、ゲームなどのブースが立ち並ぶ、フランスにおけるオタクの祭典だ。13回目となった今年は4日間で20万人以上の来場者が訪れている。

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「ゆるゆり」&「ゆりゆり」、なもり5日間連続で新刊リリース――今週の新刊ピックアップ(“毎日なもり”特別版)

1週間の注目新刊をまとめてチェック。今週は通常の新刊ピックアップに加えて、月曜から金曜まで5日間連続で新刊をリリースするなもりを紹介する。なお、このほかの今週の注目作品ピックアップはこちら

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未来からの手紙めぐる少女マンガ「orange」刊行開始。新鋭・有田直央は2作同時リリース――今週の新刊ピックアップ(2012/07/23~07/29)

1週間の注目新刊をまとめてチェック。今週は、注目作家の新作が続々登場する。なお、異例の5日間連続刊行を行う、なもり関連の新刊については別記事にまとめているので、こちらを参照のこと。

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家族という野暮ったくて面倒な関係――「ちっちゃな頃からおばちゃんで」(小山田容子)

「ふるさとは遠きにありて思ふもの」なんて詩がありますが、親元を離れての一人暮らしが長くなると「家族」というのがふと温かく甘美な何かとして心に浮かんできたりします。「あ~、結婚でもしてえなぁ」とか、「灯りの付いてる家に帰りたいなぁ」みたいなね。

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シマコーはどこまでさかのぼれる? 「少年 島耕作」掲載で恒例のシマコー大喜利開始

本日19日に発売されたモーニング2012年34号で、「社長 島耕作」(弘兼憲史)連載150回到達を記念したスペシャル企画「少年 島耕作」の3話連続掲載が始まった。本作では高校1年、15歳の島耕作の初恋が描かれている。

「ランボー怒りの○○」などと並んで、日本を代表するTwitter大喜利ネタの雄である島耕作。少年編掲載がニュースとして報じられると、Twitterでは恒例ともいえる「○○ 島耕作」TLがにわかに開始された。

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「実らないことを約束された果実」としての百合――「愛しの可愛い子ちゃん」(サトーユキエ)

ボーイッシュで女子にモテる“女子校の王子様”というのは、もう少女マンガの定番中の定番なわけですが、実をいうと個人的にはあまりハマッたことのないジャンルだったりするんですよね。女の子が極めて異性的に女の子に憧れるというのが、男の僕には少しコミットしにくい感情なのかもしれないな、と半ばこのジャンルに関しては諦めていたのですが、いや、まさか。こんなかわいい王子様に出会うとは。

いや、もう「愛しの可愛い子ちゃん」(サトーユキエ)の主役・十郎澤潮ちゃんがかわいくてかわいくて、今身悶えております。

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ワクワク感に満ちた、大人の夏の課題図書!――「南国トムソーヤ」(うめ)

カバー裏に描かれた、水平線に浮かぶ孤島と高い高い入道雲。決して立ち入ってはいけない島の聖域。いたはずのない翼竜の化石。そして、カバー表にはアイスキャンディ(アイスクリームでもソフトクリームでもなく、アイスキャンディ!)をくわえた少年2人……。

こうやってちょっと並べただけでもうワクワクしてきませんか? これぞ正しい“夏の冒険”っていうのが、「南国トムソーヤ」(うめ)には詰まっているんです。

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目利き書店員が上半期の注目作39タイトルをUstで紹介

首都圏の書店に勤めるマンガ担当者によるチーム・コミック担当者の集まり( @comitans )が12日、上半期の注目作を振り返るUst放送を行った。

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物語の少しだけ外側にある理由――「春山町サーバンツ」(朝倉世界一)

「入り口があって出口がある。大抵のものはそんな風にできている」。「1973年のピンボール」(村上春樹)の有名な一節です。作中でも「出口があればいいと思う。もしなければ、文章を書く意味なんて何もない」と書かれているとおり、入り口を描いてしまったからには物語は万難を排して出口に辿り着かないといけません。

謎という入り口があれば、物語は必ずそれを解き明かさなくてはいけないし、涙や笑顔という感情の出口があれば、物語はその理由、入り口を物語のなかで描いていなければなりません。入り口と出口、そのすべてを物語のなかに閉じ込め、描ききる。それは物語の宿命であり、義務であるといってもいいでしょう。

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ジョージ朝倉、1年ぶり「溺れるナイフ」新刊&新作ショート含む「愛蔵版 恋文日和」同時発売――今週の新刊ピックアップ(2012/07/09~07/15)

今週発売の新刊をまとめておさらい。今週は金曜に女性誌系注目タイトルが集中。また、土曜にも人気作が固まっているので、週末の店頭チェックを怠らないようにしたいところだ。

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江口寿史主催のTシャツ展「30T」本日より開催! 大友克洋の手描きTシャツも無事到着

マンガ家ら30人が参加する、江口寿史氏主催のTシャツ展「30T」が本日5日より始まった。

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「黒子のバスケ」ファンブックが品薄傾向でTwitterトレンド入り

黒子のバスケ オフィシャルファンブック CHARACTERS BIBLE」が発売された本日4日、Twitterのトレンドワードに「ファンブック」がランクインした。

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「バクマン。」単行本完結! 本年屈指の“怪作”「空が灰色だから」は2巻発売――今週の新刊ピックアップ(2012/07/02~07/08)

今週発売の注目新刊をまとめてチェック。月初にあたる今週は、やはり4日のジャンプ系新刊の存在感が大きい。また、6日にはチャンピオン系新刊が登場。今年前半、多くのマンガ読みの注目を集めたあの作品の2巻がラインナップされている。

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世界の“底”としての親――「人間仮免中」(卯月妙子)

ダンナの事業の失敗からスカトロAVに出演し、子供の頃からの統合失調症が悪化、それでも子供を育て……。そんな日々をあけすけともいえる素直さで綴ったエッセイマンガ「実録企画モノ」「新家族計画」の卯月妙子が10年ぶりに「人間仮免中」を出版した。

「人間仮免中」では前作以降の日々が綴られる。ダンナが死亡し、閉鎖病棟と自殺未遂を経験した後、それでも落ち着いていた36歳の卯月が、ボビーという25歳年上の男性と恋人同士になる。細かなエピソードの積み重ねで綴られる二人の生活は、もちろん前作同様、決して平坦な日々ではない。が、そんな日々を卯月は、これまでの作品よりもよりあっけらかんとした湿度の低い口調で綴っていく。

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「こえでおしごと!」8巻限定版の付録はまさかの“催眠オナニー”CD――今週の新刊ピックアップ(2012/6/25~7/1)

注目の新刊をまとめてチェック。6月最終週の今週は、週末だけでなく、週明け月曜にも新刊が集中している。週末まとめ買いのつもりでいると、大量の新刊で荷物が重くなりそう。週内で2回くらいは書店に行っておきたいところだ。

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「クールジャパン」はテレビ不況が生んだ?――世界第2位のマンガ大国・フランスルポ

メディアによる報道などもあって、世界で日本のマンガやアニメが流行していることは多くの人が認識していることだろう。しかし、実際に海外でどのようにマンガが受け入れられ、市場を築いているかは、詳しく報じられる機会が少ない。

たとえば、「日本に次いでマンガの売り上げが大きい国」と聞かれて即答できる人は多くないだろう。イメージ的には国の大きさもあって、アメリカあたりを想像する人もいるだろう。

実は答えはフランス。人口でいえばアメリカの6分の1ほどしかないこの国が、日本に次ぐマンガ大国なのだ。では、いったいフランスではどのようにして日本のマンガが受け入れられていったのだろうか?

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「初恋」と「最後の恋」が交差するとき――「たまりば」(しおやてるこ)

「16歳の女子高生が、28歳のサラリーマンを好きになったらだめですか?」。

完結巻である「たまりば」(しおやてるこ)2巻の帯にはそんな問いかけが入っています。それで僕は思わず、うーん、と唸るわけです。15年、いや、せめて10年前、21歳の僕なら「いいだろ」って即答していたんじゃないかなぁ。もしかしたら、そんなことを問いかけること自体バカバカしいと切り捨てたかもしれない。「年齢で好きになるわけじゃないだろ」って。

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なにわ小吉新作ギャグや1年10カ月ぶり「江古田ちゃん」新刊など発売――今週の新刊ピックアップ(2012/06/18~6/24)

今週発売の注目コミックをまとめて紹介。今週は週頭から週末まで連日注目作の発売の発売が予定されており、書店の新刊コーナーもどんどんリフレッシュされていく賑やかな1週間になりそうだ。

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リアルとファンタジーの間隙を突く、新・中二病コメディ――「オッドアイ少年」(銅☆萬福)

マンガにおいて「中二病」というのは、すごく不安定なフレーズだったりします。

「中二病マンガ」という場合、おおむね「中二病っぽい展開のマンガ」と「中二病のキャラクターが登場するマンガ」に分かれます。

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“何でも叶える”小太り妖精が「200円の缶コーヒー」を頼まれるのはなぜか?――「ジョナ散歩」(ケイケイ)

タイトルを見た瞬間「クソ、負けた」と思わせる作品ってありますよね。一体何に負けたのか、僕が何と戦ってるのかはわからないんですけど。

今回ご紹介する作品がまさにそれです。だって、「ジョナ散歩」ですよ? 主人公がジョナサンで「ジョナ散歩」。思わず声に出したくなるこのタイトル。しかも、このジョナサン、妖精ですから。この小太りでメガネをかけた、手のひらサイズのオッサンが。つまりどういうことだってばよ。

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ギャル、カメラ女子、モンペ……風刺ギャグ界に平成人類めった斬りの新星――「拝啓、旧人類様。」(野田宏)

時事社会ネタ、風刺ネタというのはギャグの定番のひとつです。「笑い」自体が、常識や現在の価値観を少しズラすことで生まれると分析されたりもしますし、風刺は笑いの基本中の基本ともいえます。

しかも、商業誌でやる風刺ギャグって本来の風刺的面白さだけじゃないでしょ? そう、チキンレース的スリルもあるわけです。

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「友情・努力・勝利」が本気を出した、小細工なしの王道スポーツマンガ――「ハイキュー!!」(古舘春一)

正直にいうと、もうジャンプ作品で熱くなることなんてないと思ってたんですね、僕。立派な大人ではないにせよ、さすがに31歳ともなると、少年誌って年じゃないですから。頑張ればかめはめ波打てるようになるんじゃないかとか、風呂場で気をためてみたりしないわけです。自分より強いやつに会ってワクワクしたりする少年の気持ちとかもう全然理解できない。「住民税たけえな!! オラ、ワクワクすっぞ!!」とかいえない。普通に負けて死ぬ。

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