「めでたしめでたし」を許さない冷徹さ——「きのう何食べた?」(よしながふみ)

よしながふみの作品には常に悲劇の匂いがしている。壮大な男女逆転時代劇である「大奥」にせよ、白血病を乗り越えて復学した高校生の青春を描く「フラワー・オブ・ライフ」にせよ、BL作品群にせよ、本人が選択できない何かを背負わされた人々を、よしながは描き続けている。

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少女の上位概念としての「男の娘」——「君の中の少年思考」(金子歩)

「君の中の少年思考」(金子歩)1巻の帯には「ノンケの君にバーン!」というフレーズが入れられている。そう、本作は「エロ大臣」と呼ばれる男子高生の反町と、男の娘系の同級生(男)のラブストーリーなのだ。

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