不幸が悲劇になる、ほんの少し手前で――「ないしょの話〜山本ルンルン作品集〜」(山本ルンルン)

山本ルンルンというのは、実に絶妙な名前だと思う。“ルンルン”という底抜けに明るい響きと、メルヘンチックでキュートな絵柄が、甘い物語を予感させると同時に、名前としてはあまりに不自然なフレーズと可愛すぎて生々しさがない絵柄がある種の不穏さを予告する。そして、その予感のとおり、寓話的でキュートな物語は、常にどこかに毒気を持っている。

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