死ななきゃ治らないものを少しだけ治してくれる、読む臨死体験——『死んで生き返りましたれぽ』

『死んで生き返りましたれぽ』の初版帯には「どんな形でもたっちゃんが生きててよかったと思うよ」という言葉が刷り込まれている。

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ありきたりさの先にある無二のドラマ性——「四谷区花園町」(高浜寛)

ドラマチックな物語というのは、それだけで人を惹きつける。見事なドラマ性をつくれれば、その物語は名作になり得るといっていいだろう。だが、じゃあ、ドラマチックでない物語は、面白くないのだろうか?

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元ホストの園長を描く育児マンガは、実は教師ものなのかも——「赤ちゃんのホスト」(丘上あい)

00年代のマンガの大きなトレンドとして、子育てマンガというのがある。実録系のエッセイを中心に、数々のヒット作が生まれた。背景には少子化・核家族化によって自身の出産・子育てが、初めての育児体験という人が多くなったこととか、働きながらの育児という状況の増加、女性作家自体の増加など、いろいろな要因があるんだと思う。

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2人のソルシエ、2つの予感……今この瞬間だけの特別な光——「さよならソルシエ」(穂積)

若手と呼ばれる人間の最大の魅力は「予感」だ。何かすごいことが始まりそう、見たことのないものが出てきそう……そういうまだ形になっていない予感そのものが、人を強烈に惹きつける。それはときとして完成されたもの以上に強烈な引力を持つ場合すらある。

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