「ぷしゅーーー」の発明と解脱系食マンガの破壊力——「ワカコ酒」(新久千映)

食マンガの快進撃は、まぁ本当に止まらない。僕は外出時にだいたい常時3〜4冊の新刊をカバンに入れているのだけど、この前なんか、アトランダムに選んだはずなのに、入っているマンガが全部食べ物系だったことがある。もちろん昔から定番ジャンルではあったのだけど、2年ほど前のブームから注目作の勃興状態が続いている。

»続きを読む

「めでたしめでたし」を許さない冷徹さ——「きのう何食べた?」(よしながふみ)

よしながふみの作品には常に悲劇の匂いがしている。壮大な男女逆転時代劇である「大奥」にせよ、白血病を乗り越えて復学した高校生の青春を描く「フラワー・オブ・ライフ」にせよ、BL作品群にせよ、本人が選択できない何かを背負わされた人々を、よしながは描き続けている。

»続きを読む