「metro」(石川ちか)
鉄(道)分:
変態分:
ウンチク分:
鉄オタ(鉄道オタク)は数あるオタク趣味のなかでもかなりメジャーで、歴史的にも古いほうだろう。それゆえに鉄道系のネタというのは濃い。地下鉄の駅員たちを主役にした本作も、終電が終わるまで働く駅員がどう働いているかといったソフトなネタから、非オタクには理解できないネタまで、さまざまな形で鉄オタの世界を垣間見せてくれる。だって、車掌ふうに鍋の具投入をアナウンスして、それに対して「(言い方が)チャラいかんじじゃない方のやつだー!!」ってツッコミが入るんだよ? ニュアンスは伝わるけど、車掌アナウンスにチャラい・チャラくないなんて区分があるなんて、今まで考えたこともなかった……!
しかも、本作、単なる鉄道ウンチクマンガというわけではない。何しろ、主人公にあたる新人駅員2人は変態。鉄オタが変態レベルに達してるとかではなく、普通に第1話から性癖の話を始めたりするというタイプの変態だ。もともと濃い鉄道という世界と、別方向で濃いキャラクターというこの組み合わせ、普通ならお互いにつぶし合ってしまいそうだが、本作ではきっちりうまく2つの要素が噛み合い、ウンチクギャグとキャラクターギャグを両立している。気を抜いていると不意に声を出して笑いそうになる、自宅読み推奨ギャグだ。
【ここにも注目!】
作中、「駅員はいろんな利用者に顔を覚えてもらいやすいから、モテる人はモテる」っていう話が出てくるんですよ。さらに「駅員に彼女ができやすい時間帯」なんて話まで出てきてですね。まあ、それがどの程度事実なのかはもちろんわかりませんし、実際の駅員さんは別にそんなよこしまな考えで働いているわけでもないでしょうし、僕はどっちかというとよこしまというかOLのストッキングとか好きだし、気付くとブラウザには「地下鉄 転職」というフレーズの検索結果が表示されてますし、危うく当サイトが閉鎖されるところでした(転職サイトに登録するのが面倒で断念)。
(このレビューは第1巻時点のものです)
記事:ネルヤ編集部
関連リンク
マッグガーデン・コミック・オンライン – 全部無料で読める! マンガの庭!(「metro」)
No comments yet.
この記事にコメントする