「魔法のつかいかた」(草間さかえ)
ファンタジー度:
日常度:
孤独感:
一見サラリーマンにしか見えない魔法使いの男と、少年の奇妙な共同生活の物語。本作を一言でいえばそんな感じだ。魔法使いといっても派手でファンタジックな生活をしているわけではなく、舞台も基本的に現代の日本が想定されているし、エピソードも魔法が出てこない、日常系に近い話が多い。心地いい疑似家族生活だ。
だが、本作にはいつもどこか寂しい匂いがしている。魔法使いの男にも、少年にも家族の影が見えるが、それは幸福な記憶というよりも、孤独や悲しみの象徴だ。1巻時点ではまだ物語の全貌は見えてこない。だが、一見温かい2人の疑似家族生活は、まるでやがて孤独をはき出すための深呼吸をしているように見える。
【ここにも注目!】
魔法使いである男とその弟子になった少年の物語である本作だが、少年同士の友情といったモチーフも。思春期を迎える前の、シンプルな友情が大人になると心に響く。
記事:ネルヤ編集部
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