「ヨタ話」(新井理恵)
登場人物の残念度:
電車で読んではならぬ:
あと鳩が怖い:
新井理恵は“残念”の魔術師だ。いまやある世代にとって伝説的作品になっている「×-ペケ-」の頃も、「なんでこんな少女マンガらしい絵でギャグを」「どうしてここまで美形キャラを台無しにするんだ」という衝撃に満ちていた。「ヨタ話」はその残念化能力が見事に炸裂している。
1話に複数のショートギャグを収めている本作だが、キャラクターからしてすごい。イケメンや美人はもちろんのこと、動物まで残念化。あの、ありとあらゆる者を癒すといわれる猫でさえ、カバーでふてぶてしく大開脚。かわいいとかでなく、完全に残念な存在になっている。何だこの表情。しかも、この猫のさゆり、幕間に「さゆりセクシーグラビア」とかあるし(お見せできないのが残念ですし、お見せできても残念なグラビアです)。「1巻」表記はないものの、デラックスベツコミではまだ掲載が続いているという本作。続きが読みたい編集部のためにも、ぜひ手にとっていただきたい。2巻を出してくれ。
【ここにも注目!】
本編もさることながら、枠外コメントの脱力感も秀逸。「昔から、こういう柱のさも心の声のような文章は、じつはネタに合わせた 割と心にも無いことを適当に書いてます。」とか、柱コメントの存在意義を揺るがす脱力テキストを柱コメントによせるこの“台無し力”……! さすがです。
(本作は1巻完結と見せかけて、デラコミで新作掲載を継続中です)
記事:ネルヤ編集部
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