「僕らはみんな死んでいる♪」(きら)
ミステリー度:
ヒューマンドラマ度:
“邪道”感:
マンガ家マンガ「バクマン。」では、少年誌における“王道”“邪道”という区分がフィーチャーされたが、それでいうならば、本作は“邪道”の女性マンガだ。男女8人が入り交じっての恋物語ではあるのだが、集まった8人は全員が死者。“天国”と説明された場所で、怪しげな神様に「このなかで、恋をしてカップルになったら、その2人は生き返れる」と告げられる、まさに異色のラブゲームなのだ。
面白いのは、恋をめぐる物語でありながら、ラブストーリーというより秘密をめぐるミステリーになっている点。参加者たちはみな、コンプレックスや秘密を抱えているのだが、謎だらけなのは参加者だけではない。このゲームそのものや、それを支配する“神様”もまた、謎に包まれた点が多い。“神様”の目的が何なのか、ゲームの詳しいルールはどういうものなのか、参加者も読者も全貌がわからないまま、ゲームは進んでいく。ただ“恋”と呼ぶには、あまりに複雑でミステリアスな、“邪道”のラブゲームマンガだ。
【ここにも注目!】
単行本の背表紙には毎巻動物の顔が入っているが、これはそれぞれ“神様”が擬態した姿。気まぐれにいろんな動物の姿になる“神様”が、次は何に変身するかもちょっとした見どころだ。
(このレビューは第6巻時点のものです)
記事:ネルヤ編集部
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