店頭での売れ行きを左右し、ヒット作誕生のきっかけになることもある手作りPOP。17日夜、書店員の間でそんなPOPの作り方が話題になった。
ある書店員が、その日作った雑誌用POPをアップしたことから始まったPOP談義。イラスト入りの豪華なものでなくても、ちょっとしたコツで本や雑誌の売れ行きは変わってくるという。
たとえば、TLでは「お待たせしました!再入荷!」と書くだけで売れ行きが変わるという声も。品切れになってしまっている場合は、「品切れ中!○日入荷!」といったPOPを付け、入荷日をアナウンスすることで再来店を促すといった方法も効果があるようだ。
紹介の仕方に関してもさまざまなコツが挙げられている。精文館書店下瀬谷店Y氏の場合は、「自分の感想を口語で」書いているという。作品のあらすじは調べればわかることなので、「信長協奏曲」の場合なら「なにーーっ!!明智光秀を…そう描いたか(°□°;)!うわぁ…3巻ラスト…すげぇ…これは3巻までイッキ読みオススメ」といった具合に、テンションが伝わる書き方で訴えかける。確かに読んだ人の“ハマッている”感が伝わってきて、手に取りたくなってくる。
「単なる内容解説にしない」というのはやはり多くの人が心がけているようで、なかにはかつての「木曜洋画劇場」のCMを目標にしているという人も。ネタバレを避けつつ、インパクトのある形でその人ならではの見どころを紹介する点は、確かにPOPのあり方とマッチしそうだ。
内容に触れないパターンでは、ストーリー性を重視する方法も挙げられている。「スタッフの○○はこの本を2冊買って友人に布教するそうです、そのくらいオススメ」というように、手に取った人がどう反応したかを具体的に書くことでオススメ感が強調されている。
こうした文言選びのポイントだけでなく、どんなフォントを選ぶか、どんな画材で描くかといったビジュアル面も話題に。なかでも、味が出やすさや使いやすさからか、筆ペンを愛用しているという人は多いようだ。また、「太文字のマジックでガッと」書くことでそれっぽくなるというアドバイスもあった。POP作り初心者は、マジックからチャレンジしてもいいかもしれない。
とはいえ、POP作りは職人技。やはりたくさん描かなければ上達しないと多くの人が語っており、前出の精文館書店下瀬谷店Y氏もネット上で配布されているフォントを模写して練習したといったエピソードを語っている。字体に関しては、絵本雑誌「ねーねー」の手紙の文字をかわいく書くコツを紹介するコーナーが参考になるといった声もあった。
また、どんなに技術があってもそれだけでは描けないのがPOP。ある書店員は、頼まれて描いても自分が描けないと思ったものは「嘘がバレちゃうし、そういうPOPが出来てしまう」と語り、「愛がなければ、出来ない」と締めくくっていた。
記事:ネルヤ編集部
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