comicリュウ編集長を直撃! その勢いの秘密がわかっ……ダメだ、わかんなかった


今、comicリュウくらい雑多なマンガ誌はないと思う。SFあり、人外萌えあり、男の娘あり、何でもありなのだ。たとえば、「冥王計画ゼオライマーΩ」(原作:ちみもりを/作画:ワタリユウ)と「きのこいぬ」(蒼星きまま)、「まんがの作り方」(平尾アウリ)が同じ雑誌に載っているなんて、単行本だけ見ていたら誰も想像できないだろう。

そんなcomicリュウ編集部の飲み会に参加する機会を得たのが先日のこと。「編集長のこととか書いてもいいですよ!」という言葉を鵜呑みにして、その独特のパワー、勢いの秘密を探るべく編集長を直撃した。

■口が滑ると徳間書店の給湯室に呼び出される

――今日はお邪魔させていただいて、ありがとうございます! 毎月こういう打ち上げをやってるんですか?

木島編集長(以下「木島」) 前はやってなかったんですけどね。でも、やっぱり仕事って校了終わって、雑誌が出て、それで「お疲れ!!」ってみんなで飲んで終わりだと思うんですよ。僕はもともと「アサヒ芸能」編集部にある編集局にいたんですけど、あそこがそういう文化だった。何時に校了が終わっても必ず飲みに行く。だから、僕が編集長になってからリュウでも打ち上げをやるようにしたんです。

――打ち上げで終わりっていうのはありますよね。

木島 でも、切ないんですよ、編集長って(紹興酒を煽りながら)。こうやって飲んでてね、外部の人に何か余計なこというと、次の日猪飼さん(comicリュウ副編集長・猪飼幹太氏)に「木島さん、ちょっといいですか?」って声かけられて、給湯室に連れてかれて「昨日飲み過ぎだろ」って殴られんですよ。(猪飼注:殴りません)

――ハハ(笑)

木島 でさ、だいだい猪飼さんって会った人に「猪飼さんってTwitterの印象どおり、本当にいい人ですね~!」とか言われててさー。で、「だけど、編集長だけクズ」みたいな感じで。

――そう、Twitterやってますよね、みなさん。

木島 みんなやってるね(紹興酒煽る)。公式は今俺がやってますけど。公式だから「○○先生と打ち合わせしてきました!」とか書きたいんだけど、よく考えたら俺、編集長だから担当作家さんほとんどいないんだよね。作家さんと会うのは、編集部に打ち合わせに来ているときとかなんで、Twitterに書くのは「今日も飲みに来てます」とかそんなんばっかりになるんですよ。

――切ないですね。

木島 だいたい俺、そんなに会社にいないしね。イヤでしょ? 上司がいつもいて「ん? やっとるかね?」とかデスクまわってるの。そういうの嫌いだから、早めに会社出ちゃう。

――ああ、上司がいると仕事終わってても帰りにくいですしね。

木島 いや、俺がいても帰るけどね、うちの人たちは。

――……。

木島 まぁ、昼間は調子出ないんでね。早めに切り上げて飲みに行くんです。でも、飲み過ぎて口が滑るとまた給湯室に呼び出されてボコられるんで。(猪飼注:殴りません)

※以下、木島氏がさまざまな場所に呼び出されて猪飼氏にボコられるトークが続くので割愛。その間に紹興酒が1瓶なくなる。

■ボツにすると給湯室に呼び出される

――あの、編集方針とかって……?

木島 あー、編集長って雑誌の端から端まで全部見て、全部自分で決めるっていうのもあるとはおもうんですけど、うちは今各編集者にかなり任せてますね。編集者が「面白い!!」っていうものを載せる。

――編集会議とかではないんですか?

木島 そういうかしこまった会議みたいなのないんですよ。会議とかでみんなで決めた作品って、結局平均点みたいな作品になったりしがちでしょ? それより、9人は「わかんない」っていうけど、誰か1人が「ものすごくいい!!」っていう作品を載せたいんです。俺が理解できない作品でも、担当とかが「いや、これはすごいんです!!」って熱烈にプレゼンしてくるようなね。だから、リュウに載ってる作品って、必ず編集部に1人は熱烈な支持者がいるんですよ。

――なるほど。だからあんなに個性的な誌面ができる、と。

木島 まぁ、でも、それで載る場合はいいんですけどね。最終的に「悪い、でもやっぱこれはボツ!!」とか「連載終了」とかもあるわけで、そういうときは担当に呼び出されて給湯室でボコ(猪飼注:殴りません)

※この後、主に木島氏が給湯室でボコられる話が続くので割愛。2本目の紹興酒の残りも少なくなる。

■明日は給湯室に呼び出される

――木島さんのなかで、マンガ編集ってどういう……

木島 っていうかね、さっきからずっと気になってたんだけど……(神妙な面持ちで)。

――はい。

木島 この箸、Uさん(同席していた美人デザイナー)の箸だよね。

――何の話ですか。

木島 舐めてもいいの?

――え。

木島 ずっと気になってたんだよね、さっきから。

――え。

※おもむろに箸を舐める木島編集長

――え。

木島 レンゲもある。

――……(ゴクリ

※差し出されるままにレンゲを舐めるネルヤ編集長・小林。その場では「仕方なく」みたいな顔をしていたが、後に「おいしかったです」と語っていた。クズだ。

――本日はありがとうございました(目を輝かせて)。

木島 明日、俺、絶対猪飼さんに給湯室呼び出されるよ。(※猪飼注:ボコりません)

勢いのある雑誌は、編集者、編集部にもやはり勢いがある。短い時間ではあったが、comicリュウのパワーあふれる誌面の秘密がわかった気がす……いや、ごめん、わかんなかったわ。今度、電話とかで聞いとく。

※レンゲと箸はこのあとUさんに没収されました。

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月刊 COMIC (コミック) リュウ 2012年 10月号 [雑誌]

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出版社: 徳間書店

出版日: 2012-08-18

商品カテゴリ: 雑誌


記事:小林聖
フリーライター。ネルヤ編集長。寝室のクーラーが壊れたので、寝るときは窓を開けていたんですが、おかげで寝室側のマンガが湿気にやられつつあります。今まで特に書いていませんでしたが、仕事のご相談とか普通に承っています。Twitterアカウントは@frog88

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