少年誌ラブコメの論理を拒絶する河合作品の世界——『とめはねっ!鈴里高校書道部』(河合克敏)

 河合克敏という人は、僕にとってはちょっと変わった作家だ。いや、スポーツマンガとしては『帯をギュッとね!』も『モンキーターン』も十分王道の部類に入ると思うのだけれども、そうではなく、少年誌ラブコメの担い手としての河合克敏が、である。

»続きを読む

空腹を知らない不幸——「王様達のヴァイキング」(さだやす/ストーリー協力:深見真)

「これは——のちに王冠を抱くことになる二人の、宝探しの航海記である」。「王様達のヴァイキング」(さだやす/ストーリー協力:深見真)は、第1話のラストでそう宣言している。

»続きを読む

「かわいい」以上に「かっこいい」、少女たちによる少年マンガ——「かげきしょうじょ!」(斉木久美子)

魅力を語られれば頭ではわかるけど、体感としてその熱量を理解するのは難しいというジャンルがある。僕にとっては、BLと宝塚だ。このジャンルに関しては、たぶん同じように感じている男性も多いんじゃないかと思う。ほかのジャンル、エンタメコンテンツと比べても、極めてピーキーに女性向けのチューニングがなされている、“THE 女の世界”だと思う。

»続きを読む

「強敵(とも)」のスピリットを受け継ぐ文系スポ根少女マンガ——「星空のカラス」(モリエサトシ)

「文系スポ根」というジャンルは、マンガの世界では完全に定着した。このジャンルのパイオニアである、百人一首をテーマにした「ちはやふる」(末次由紀)をはじめ、将棋、音楽、クイズなどなど、多種多様なモチーフで、しかも男性誌・女性誌を問わず描かれている。

»続きを読む