「むねあつ」（村岡ユウ）
汗臭さ：
単純さ：
“正しい”青春感：
いっちゃなんだけど、今どき柔道だ。しかも、「YAWARA!」（浦沢直樹）みたいに女の子が主役で、ちょっとライトな読み味なんてことはない。げじげじ眉で坊主頭のいかにも冴えない男子高校生が主役。もちろんモテないし、憧れの女の子は、1年間ただ見ているだけ。おまけに東京から転校してきたイケメンには顔も勉強も柔道も全然敵わない。
だけど、羨ましい。正直いって正宗みたいな青春をもう一度送りたい。好きな娘と目が合っただけで一日大興奮していられる単純さも、練習してもしても柔道が強くならないことへの悔し涙も、笑っちゃうダサさだけど、読み終わると「正宗、かっこいいぜ！」と叫んでしまう。「まっすぐなだけでやっていけるほど人生は甘くない」と思う頭の端っこで、「まっすぐ、いいじゃねえか！」と思わせてくれる熱く眩しい作品、続編熱望!!
【ここにも注目！】
終盤、部室のシーンで同級生のノボルが読んでいるマンガ、これ、どう見ても「ROOKIES」（森田まさのり）！ 「そうそう、そういう泥臭さがいいんだよ、やっぱりさ！」と思わずうなずいてしまうセレクトだ。
（本作は1巻完結です）
記事：ネルヤ編集部
関連リンク
小学館：コミック 『むねあつ』
漫画家村岡ユウ公式サイト 「優優自的」
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