著者: 水あさと
「宮田書店へようこそ! 水あさと短編集」(水あさと)
青春度:
不器用ガール度:
泣き顔:
「かわいくてちょっとドジ」とか「かわいくて大きな弱点がある」みたいな、何か欠点があることは萌えのポイント。いわば“引き算の萌え”だ。水あさとの絵は、たぶんそういう引き算的な表現になっている。
たとえば、切ない系からパロディ的コメディまで7作品を収録した「宮田書店へようこそ! 水あさと短編集」の「帰れない二人」。カバー絵の泣き顔も「帰れない二人」からのものだが、作中にはさらに豪快な泣き顔が描かれている。鼻水まできっちり描かれた超号泣だ。また、表題作の自転車に乗るシーンでは、風の勢いで唇がめくれ上がって歯茎が丸見えになったヒロインの姿もある。本作ではないが、水の人気作「デンキ街の本屋さん」には、キバっぽいギザギザの歯がトレードマークのキャラもいる。水あさとはデフォルメのきいた“かわいい”キャラに、すこしイビツと思えるような表現を取り込んでいる。“完璧な美少女”でなさをビジュアルにも適用していて、それが妙に心に引っかかるのだ。“不器用な女の子”の名手、水あさとの世界をビジュアル・物語の両面で堪能できる作品集だ。
【ここにも注目!】
表題作、「宮田書店へようこそ!」はタイトルでもわかるとおり書店員が主人公の日常コメディ。作中、誤発注的に大量に新刊が届く描写があるが、新刊がカジュアルに大量に注文でき、実際希望する分だけ届くというのは、どこの書店でもできることではない。「宮田書店」、実は実力派の書店さんですよ!
(本作は1巻完結です)
記事:ネルヤ編集部
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商品詳細|株式会社メディアファクトリー(「宮田書店へようこそ! 水あさと短編集」)
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