気持ちが見えてもなお、恋は難しく、愛おしい――「恋愛視角化現象」(秋★枝)



「恋愛視角化現象」(秋★枝)
ほっこり感:★★★★☆
ピュア感:★★★★☆
人外萌え:★★★☆☆

自分の気持ちなんて自分でもわかりにくいものだ。言語化できるとは限らないし、表面的な「嬉しい」とか「悲しい」という感情は把握できても、それが何から生まれているかはわかりにくい。優越感や嫉妬みたいな負の感情が原因の場合だってある。自分の感情に向き合うことは、他人に感情が伝わること以上に怖いことでもあるのだ。

恋をすると角が生えてくる世界を描いた「恋愛視角化現象」(秋★枝)は、そういう自分でもわかりにくい内面の問題を描いている。角が生えて他人に気持ちが見えても、なお伝わらないことが多いこと、角によって見えてしまう自分の内心。気持ちがひと目でわかる世界でも、やっぱり恋と人間関係は複雑であり続ける。そういう難しさと、なのに不思議と愛おしい気持ちが詰まった作品だ。

【ここにも注目!】
ユニコーンっぽいのもあれば、水牛的な角もあったりと、角の生え方は人によってまちまち。プチ人外萌えとしても楽しめる。

(本作は上下巻完結です)

記事:ネルヤ編集部

関連リンク
ウルトラジャンプ Web連載 0004 恋愛視角化現象

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