「花君と恋する私」(熊岡冬夕)
胸キュン度:
ギャップ萌え:
甘さ:
「マンガが好き」と話すとオススメを聞かれることが多いのだが、そんなとき「王道で面白い作品、何かない?」と聞かれることがある。これはけっこう難しい。王道は一歩間違えばベタになるし、実際面白くてもあらすじを説明するだけだと「ありがちな感じ」と思われて終わってしまう。結果、王道好きがよい王道作品に巡り会えなくなったりする。
だから、こういう作品に巡り会えると嬉しい。「花君と恋する私」は、少女マンガにおける学園ものに飢えている人にピッタリの作品だ。美人で優等生のヒロインと、クラスメイトに怖がられているちょっと不良の花君という組み合わせは、何十年と繰り返されている学園ものの定番だが、本作は上手にその魅力を描いている。第1話は「恋する花君と私」という作名と逆のサブタイトルで、怖い花君の恋する顔を描く。そのギャップを目にしたところから、ゆっくりと花君に「恋する私」が浮き上がってくる。そして、「花君」と「恋する私」になった物語は、徐々に「花君と恋する」私へとシフトしていく。キャラクターのかわいさもさることながら、まるでタイトルの意味が変わるかのように、2人の気持ちが変化していく過程を描いているのが魅力で、もうどのシーンもキュンとすること間違いなしだ。
【ここにも注目!】
カバー下は表側がカバーイラストのパロディで、裏側がおまけマンガという2部構成で、巻を追うごとにいい具合にネタ巻が強くなっている。特に4巻のカバー下表側は必見。カバーイラストの別バージョンなのだが、まさかこうくるとは……!
(このレビューは第4巻時点のものです)
記事:ネルヤ編集部
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