「銀のニーナ」(イトカツ)
癒し感:
天真爛漫幼女:
田舎ファンタジー:
無職っていうのはキツい。現実問題としてどうにもならないくらいお金がないという状況ではなかったとしても、ある程度の年齢で働いていないと、自分の輪郭がぼやけてくるような、どこか後ろめたいような気持ちになりがちだ。だが、職を失って田舎に戻った27歳の主人公を描いた本作は、のんびりとした田舎ライフの幸福感を与えてくれる。
それは、この作品がフィクションであり、ファンタジーだからという理由ももちろんある。だが、おそらくもっとも大きいのは、帰ってきた彼に、「姪の面倒を見る」という疑似親子関係が与えられていることだ。天真爛漫な少女の明るさが癒しになっていることはもちろんだが、「大人だから子どもを持てるのでなく、子どもが人を大人にする」というように、親代わりのように誰かの面倒を見るという行為は、自分に枠組みを与え、社会性と大人としての輪郭を与えてくれる。無職の主人公に穏やかに(そしてあくまで擬似的に)大人としてのフレームを与えてくれることこそ、「銀のニーナ」の幸福感の源泉なのだと思う。
【ここにも注目!】
本作には10歳の姪との疑似親子関係に加えて、美人の幼なじみという疑似恋愛関係じみた要素まで……! それはずるい……! 悔しい……!
(このレビューは第1巻時点のものです)
記事:ネルヤ編集部
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