「いいなりゴハン」(森繁拓真)
食マンガ度:
ドキュメンタリー度:
東村アキコ:
「となりの関くん」で一躍脚光を浴びた森繁拓真の最新作「いいなりゴハン」は、グルメエッセイマンガということになっている。各地のおいしいお店へ行ってレポートにしているのだから、もちろんそれは嘘ではない。嘘ではないのだけど、この作品が「グルメマンガとして面白い」から取り上げているわけでもない。だって、序盤なんかホルモン焼き屋しか行ってないからね!! 特に各店の違いや個性を激しく描いているわけでもないし、グルメマンガ的なうんちく語りや批評性は基本的にない。だけど、面白い。ホルモン焼き屋3連発でも全然飽きない。
何が面白いかというと、東村アキコが面白いのだ。「いいなり」というタイトルどおり、このエッセイは森繁拓真が、実姉・東村アキコに指図されるがまま、グルメエッセイを描くことになり、東村アキコのオススメ店に行ってレポートをするという内容になっている。コンセプトからして、「そこまでするならもう東村先生が描けば(ry」と誰もが思うであろう企画だが、内容はさらに東村アキコパワーに満ちているだ。いつの間にかオススメ店を教えるだけじゃなく、取材に同席するようになるし、韓国取材編では先に現地入りしていたにもかかわらず、仕事のために途中で一時帰国までするしと、とにかく挟み込まれる東村アキコ伝説が強烈。そう、つまりこれ、食べ物もおいしそうなのだけれど、本質的にグルメマンガというより「実録! 本当にあった東村アキコ」なのだ。東村以外にも、ゲスト作家や妻などが続々と登場。料理を肴に、森繁拓真が振り回され、苦悩する姿を楽しませてくれる作品だ。
【ここにも注目!】
グルメルポ部分でいうと、高級寿司屋を取材した回で、おいしさの説明を放棄したのが印象的でした。この潔さは刮目。
(このレビューは第1巻時点のものです)
記事:ネルヤ編集部
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