27日夜から本日28日にかけて、Twitter上で「#マイナーだけど無茶苦茶面白い漫画上げてけ」というハッシュタグが活性化している。
Yahoo!のリアルタイム検索で調べると、27日だけでも同ハッシュタグを使ったつぶやきは1万1000件以上。本日28日も16時時点で1万2000件を超えており、Twitterの国内トレンドワードにもたびたび入っていた。
ネット上での「マイナー作品」関係の話題は、常に「どこからがマイナーなのか?」という問題とセットになっており、このハッシュタグでも「マイナーかどうかわからないけど」という注釈とともに作品を挙げるユーザーが多く見られた。
今回実際に挙がっている作品を見ていて興味深いのは、完結後時間が経過した作品が挙がるパターンも少なくない点だ。たとえば、何人かが挙げている「究極超人あ〜る」(ゆうきまさみ)や「BANANA FISH」(吉田秋生)がこのケース。ともに「その時代を代表する名作」と呼ぶにふさわしい作品だが、世代によっては「まわりに知っている人がいない」という状況にもなるのだろう。
小説などのように教科書に歴史として取り上げられたり、文庫各社による夏の100冊のような古典・名作を一覧にするような定例フェアもないマンガの世界では、こうした世代による認識ギャップは大きそうだ。実際「BANANA FISH」に違和感を覚える人は多いだろうが、一方でもし60年前に一世を風靡したような作品が挙がったら、多くの人が「マイナー」と感じるだろう。マイナーの基準は個人的な経験や記憶に左右される部分がかなり大きいといえる。
また、やはりメディアミックスの有無も影響力が大きい様子。「このマンガがすごい!(このマン)」や「マンガ大賞」のような有名な賞を取った作品は、当然今回のようなハッシュタグでは名前が挙がることが少なく、実際「このマン」や「マンガ大賞」で1位、大賞を受賞した作品で検索をかけても見つからなかった。
唯一の例外が「聖☆おにいさん」(中村光)。「このマンガがすごい!2009」オトコ編で1位を取った作品だが、編集部調査では同ハッシュタグで5回ほど名前が挙がっている。
直近2年でこのマン1位になった比較的新しい作品を除くと、他の「このマン」「マンガ大賞」受賞作はアニメ、ドラマ、映画など何らかのメディアミックスを経験、もしくは今後のメディアミックスが決まっている(「このマンガがすごい!2006」オトコ編1位の「PLUTO」は10年にハリウッドでの映画化が発表されている)。テレビや映画(それに伴う広告展開)で大きく展開されることが「マイナー」の基準という層もやはり多いといえそうだ。
「マイナー」の基準は、挙げる人間、受け取る人間の経験や習慣、人間関係などに大きく左右されるので、統一的な基準を示すのはほぼ不可能だろう。マイナーか否かは一定の傾向と考え、知らなかった作品探しや、自分と好みが近い人を探すのに活用するとよいのではないだろうか。
記事:ネルヤ編集部
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