25日、インプレスR&Dが日本の電子コミック市場規模の調査結果を発表。これによると2011年度の電子コミックの市場規模は前年度から10億円減少の514億円で、2005年以来初めて前年度を下回る結果となった。
同社はフィーチャーフォンからスマートフォンへの移行がスムーズに進んでいない点などを減少理由として上げているが、これに対してマンガ家でJコミの代表を務める赤松健氏はTwitterで「「本当の理由」は、グラフには現れていないし、記事にも書かれていないw」と指摘した。
赤松氏は電子コミック市場の縮小理由をスマホの表現規制だと分析。「今まで「ガラケーでBL&エロを読む」が日本の電子書籍の儲けの大部分を占めていたのに、スマホ時代になって規制が厳しくなり、その分だけ儲けが減ったのが、前年より減った本当の理由です」と語っている。
実際、2007年度のインプレスR&D調査(PDF)でも、BL、TL(ティーンズラブ)作品が電子コミック市場の牽引役となっていることは指摘されており、携帯向け電子コミック市場において大きなシェアを占めていると報告されている。
また、電子出版における表現規制に関しては、今年7月にもBL作家の水戸泉氏が自作のコミカライズに関して、電子出版における18歳未満の性表現が厳しくなっている現状を吐露しており、配信する端末によって作品が出しにくい状況はある模様。
スマホ時代になってどの程度規制が厳しくなったかは不明だが、BLやTLと表現規制の問題が電子コミック市場にも影響を及ぼしている可能性は高いのかもしれない。
記事:ネルヤ編集部
関連リンク
日本の電子コミック市場規模は2011年度で514億円 今年で7年目を迎える業界の定番資料 『電子コミックビジネス調査報告書2012』 9月27日発行 | インプレス R&D
BL作家水戸泉さん「電子出版では18歳未満の性表現ほぼ壊滅しました」 #表現規制 – Togetter
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