「去年は食っていけないかなと思った」鈴木みそ、「限界集落温泉」Kindle版が1か月で2万DL、印税280万円を達成


1日、マンガ家の鈴木みそ氏がブログにて、個人出版によるKindle版「限界集落温泉」全4巻の月間販売数を公開した。発表によると1月の同作の販売数は合計2万178冊、ロイヤリティ収入は283万円を記録したという。

Kindle版「限界集落温泉」は、Amazonでは1月4日(一部を修正した1巻第2版は1月5日)付けで発売。1巻は100円、2巻以降は450円で販売されている。

鈴木みそ氏がブログで販売までの行程やノウハウを公開したこともあり、発売当初から話題を呼び、売り上げランキング上位をキープ。従来「紙に比べて販売数が少ない」といわれることが多かった電子書籍販売市場で具体的で大きな利益を上げた先行例のひとつとなった。

日本版Kindleの個人出版は昨年10月にスタートしたばかりで、マンガの個人出版は黎明期にあたる。こうした背景もあるため、鈴木氏は「たまたまアマゾンで個人出版というのが話題になって瞬間に売れただけ」と綴り、「長くは続かないから(笑)」と評価しているが、一方で「まだしばらく漫画家として仕事続けられると思いました。去年はもう食っていけないかなと思ったんで」と今回の成功の喜びを語っている。

スタートアップ期のご祝儀相場的成功とはいえ、電子書籍の可能性が提示されたことで、いしかわじゅん氏は「ひとごとながら嬉しくなっちゃうよ」、ひうらさとる氏は「電書界の神!! 」など、同業のマンガ家らも驚きと祝福のコメントを寄せていた。

「限界温泉集落」は、若者がいなくなり集落自体の高齢化が進む伊豆の温泉街を舞台に、山師的ゲームクリエイターがネットやオタクカルチャーを駆使して温泉旅館再興と街興しを目指す物語。紙の単行本はエンターブレインから刊行されており、2012年3月に発売された第4巻で完結している。



記事:ネルヤ編集部

関連リンク
CHINGE(鈴木みそ公式ブログ)
鈴木みそ (MisoSuzuki)(Twitter)

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