「FFFF!」「PLOP BLOOP」はどんな擬音の英訳? 日本マンガの擬音翻訳を紹介するニコ生が放送


17日夜、ニコニコ生放送で「擬音を翻訳するとどーなるの クイズ」という放送が配信された。

この動画は、ニコニコ動画のコミュニティ「漫画だな」のオーナーであるクレロラ氏が、コミュニティ誕生1周年を記念して放送したもの。マンガのなかで手描きで描かれている日本語の擬音が、海外で出版されたときにどのように翻訳されているかをクイズ形式で紹介する企画で、クレロラ氏は以前にもドイツ語翻訳された日本のマンガを使って放送を行っている。

今回テキストに選ばれたのは英語版「寄生獣」(岩明均)。英語版では日本語の擬音の脇に小さく英語表記が入る形になっているが、動画ではまず日本語の文字を隠して表示し、英語表記から元の擬音をユーザーが推測するというルールで放送が進められた。

放送で紹介された擬音の翻訳例は、大きく2つのタイプに分類される。

1つは、柔らかいものがそっと跳ねる「ポヨン‥」という擬音を「BOING」と訳すような、音をベースに翻訳したと思われるタイプだ。寄生獣の顔が開く有名なシーンに使われた「パファ」「ファッ」という空気が噴き出すような擬音もこのタイプと思われ、それぞれ「PFFFF」「FFFF!」と訳されている。細長いものが素早く動くような「ひゅるっ」という擬音が「WHRR」と訳されているのも、この一例だろう。英語の語感から推測しやすいため、このタイプは比較的早く正解が出る傾向にあった。

また、音そのままではないが、このタイプに近そうなのが、「FFOOSH!」などのフレーズ。これは「ビュッ」という素早い動きを表す擬音の翻訳だ。「FOOSH」という名前のミント系タブレット菓子がアメリカのAmazonで見つかることからも、スピードやシャープさを感じさせるフレーズであることが推測される。血があふれ出る「ジュルッ ブビッ」という擬音を訳した「PLOP BLOOP」や、電車の「ゴトン ゴトン」という振動音を訳した「KA-CHULIK KA-CHULIK」もこのタイプと推測される。

もう1つのタイプは、意味内容から翻訳されたと思われるもの。何かを振り回す「ブン」という擬音を「SWING」と訳しているのが典型例だ。ほかにも、「なでる」「さする」といった意味の動詞「STROKE」が肩をそっと触るシーンの「さわ」の訳語になっていたり、「曲げる」という意味の動詞「BEND」「クイ」の訳語になっていたりする。また、寄生獣が人間の頭を掻き切るように食べる有名なシーンの「バツン」には、「音をたてて噛む、砕く」を意味する「SCRUNCH!」というフレーズが当てられている。久米田康治氏が「さよなら絶望先生」で提示したメールを打つ擬音「めるめる」は、こうした翻訳と同様の発想といえそうだ。

意味的なところからのアプローチのためか、複数の擬音を同じフレーズがカバーしているケースもあった。たとえば「音を立てて砕ける」といった意味の動詞「CRACK!」は、「ガキッ」という衝撃音や、脱臼した肩を力ずくで元に戻す「ゴキン」という擬音に共通して使われている。

意味から翻訳されたタイプは、何となく推測はできるものの、日本語として該当しそうな擬音が多いため、クイズとしてはやや難易度の高いものが多かった印象だ。

文字であると同時に、形状や大きさなどによっても意味が変わる絵でもある日本マンガの擬音は、翻訳しづらい表現方法。海外向けに翻訳されたマンガ作品を見る機会があったら、どう表現しているか意識してチェックしてみても面白そうだ。

記事:ネルヤ編集部

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漫画だな-ニコニコミュニティ
くれろら (kuro_rabit)(Twitter)

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