地方を舞台にしたマンガやアニメが一般化するなか、このところブームの兆しを見せているのが“離島マンガ”。海に囲まれた小さな島のなかで回っている人々の暮らしや文化は単なる田舎暮らし以上に独特で、思わず覗いてみたくなる魅力がある。
だが、ひと口に離島といっても、切り口は作品によってさまざまだ。ロハス系から冒険心をくすぐる海洋ロマンまで、バラエティに富んだ離島マンガをご紹介!
「ばらかもん」(ヨシノサツキ)
既刊6巻
田舎度:
ロハス度:
ほのぼの度:
東京でお偉いさんを怒らせて、離島で暮らすことになったイケメン書道家の生活を描く、ここ数年の離島マンガブームの先駆け的存在。描かれる島の子どもや老人の生活は、都会育ちにはもちろん、地方育ちから見ても新鮮で、子ども時代の夏休みのようなスローライフを満喫できる。2巻を読むと地元の漬け物「このもん」が食べたくなる。
「南国トムソーヤ」(うめ)
既刊1巻
田舎度:
ロハス度:
民俗学度:
iPhone片手に少年が転校してきたのは沖縄の最果ての島・羽照那島(はてなじま)。ヤギの解体といった田舎の新鮮さだけでなく、排他性や閉塞感といった田舎の暗さも描いているのがリアル。物語もロハスというよりもジュブナイル冒険譚。ニライカナイや島の創世神話といった民俗学的キーワードが少年的な冒険心をくすぐる。
→作品レビュー:ワクワク感に満ちた、大人の夏の課題図書!――「南国トムソーヤ」(うめ)
「うらら」(ひうらさとる)
既刊1巻
田舎度:
ロハス度:
ときめき度:
バリバリ働くアラサー女子が、旦那の浮気&離婚を機に離島で人生のリセットを決意。正統派ロハス系ストーリーだが、「ホタルノヒカリ」など、働く女子の生き方を描いてきたひうららしく、島でもやはり中心になるのは新たな恋と新たなビジネスやライフスタイル。舞台となる“うらら島”もオシャレなレストランが登場したりと、リゾート系のイメージ。
「つるかめ助産院」(漫画:有田直央/原作:小川糸)
全1巻
田舎度:
ロハス度:
癒し度:
失踪した夫を探して辿り着いた南の島で、妊娠が発覚した主人公は、島の助産院に住み込みながら、出産までを過ごすことになる。シンプルな島の暮らしのなかで人生を見つめ直すという、ともすると上滑りしそうなテーマだが、有田直央が描くキャラクターの表情豊かさが物語にスッと入り込ませてくれる。特に“長老”のキュートさ、存在感がいい!
→作品レビュー:「命すげえ」、の手触り――「つるかめ助産院」(漫画:有田直央/原作:小川糸)
「冒険エレキテ島」(鶴田謙二)
既刊1巻
田舎度:
ロハス度:
冒険度:
“離島”というとロハス系のイメージが強いが、“孤島”となると、ほら、海洋冒険ロマンに。死んだ祖父が探していた幻の島“エレキテ島”の謎に少女が挑む本作は、日本だけど、どこか無国籍な世界観が魅力。プロペラ機と少女という組み合わせひとつ取っても胸が躍る。ちょっと日常を抜け出して、少年の頃胸を躍らせたSF世界に飛び込みたい人に。
記事:ネルヤ編集部
関連リンク
ばらかもん – 漫画 – ガンガンONLINE -SQUARE ENIX-
連載作品 | web@バンチ
Kiss|うらら|作品紹介|講談社コミックプラス
7/25(水)発売試し読み|つるかめ助産院
アフタヌーン|冒険エレキテ島|作品紹介|講談社コミックプラス
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