「となりの外国人」(宮本福助)
コメディ:
ほのぼの:
かわいいイケメン:
自分の国を外国人の視点から見る物語というのは、「自国のを再発見させる」という役割がある。日本にいると当たり前な自動販売機が、海外の人から見るとお釣りがきちんと返ってくることも、あれだけたくさんあって強盗の対象にならないことも新鮮だというような話だ。
だが、日本が大好きで江戸っ子口調で喋る不思議なイタリア人・マリオと、その隣に住む日本人一家の交流を描いたコメディである本作は、そういう日本再発見の話ではない。初めての餅にはしゃいだり、おみくじの天中殺に怯えたりと、外国人らしさを描いてはいるが、日本人が知らない日本の特殊さが主眼ではないのだ。本作の面白さは、日本の再発見ではなく、「日本を楽しみ直す」ことにある。すっかり日常になって、特に面白くも感じない日本の生活を、マリオはテンション高く楽しみきる。作中の日本人家族も読者も、そんなマリオの楽しそうな姿を見ているうちにどんどん楽しくなってしまうのだ。そう、楽しい瞬間というのは、たぶん自分が楽しいときでなく、一緒にいる誰かが楽しいときなのだ。あー、マリオと初詣行きたい。
【ここにも注目!】
途中から飼い猫となるガブリエルが大の字になって寝ている姿の、マンガらしいかわいさといったら……! グシュグシュッとした独特の目を含め、脇役ながら存在感あり!
(このレビューは第1巻時点のものです)
記事:ネルヤ編集部
関連リンク
となりの外国人 – コミック | ぽこぽこ
No comments yet.
この記事にコメントする