究極のモフリビリティーは鳥のお尻にある! もふもふと癒やしの喫茶4コマ——『とりきっさ!』(ノブヨシ侍)

 動物は2種類しかいない。もふれるやつと、もふれないやつだ。

 というような言葉があるわけではないのだけれども、もふもふ感というのは動物を愛でる観点のひとつとしてすっかり定着した。で、このもふれる感(モフリビリティー)が高い動物としてよくあがってくるのは何かというと、やはり犬(特に子犬)や猫(特に子猫)がその代表。続いて、うさぎやハムスター、パンダや鳥、アザラシといった動物があがってくる感じだ。

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10年代の人外系マンガはどう変遷したのか?——猫耳化する萌え系人外と獣人化する人外彼氏

 一般商業誌における人外マンガブームというのがいわれるようになって久しい。いわれるようになってというか、僕を含めた一部の人たちが「ブームだ」といいだしてからといった方がいいかもしれないが、アニメ放送開始を目前に控えた『モンスター娘のいる日常』(オカヤド)といったヒット作を筆頭に、いわゆる人外系が増えた、「人外系」というフレーズが定着した感はある。

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アラサー版『うる星やつら』の無邪気な楽しさと不穏——『A子さんの恋人』(近藤聡乃)

 「あー、楽しい!」。『A子さんの恋人』(近藤聡乃)の感想を一言でいってしまえばこれだ。レビューとしてはしょうもない一言なのだけれど、「面白い」とか「笑える」とかでなく、「楽しい」というのがこの作品には一番しっくりくる。この「楽しさ」の感覚に近いものを考えたとき、最初に思いついたのは『うる星やつら』(高橋留美子)だった。

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すべての彼氏はトドである。ケモナー系の形をしたアラサーカップル共感マンガ——「トド彼」(高嶋あがさ)

2011年のケンタウロスマンガブーム以降なのか、「モンスター娘のいる日常」(オカヤド)の快進撃以降なのか、それともそれ以前からの定番とみるか、どこを契機とするかは難しいが、ここ数年で、一般商業誌における人外系作品、ケモナー向け作品の存在感は確実に増してきている。

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「ぷしゅーーー」の発明と解脱系食マンガの破壊力——「ワカコ酒」(新久千映)

食マンガの快進撃は、まぁ本当に止まらない。僕は外出時にだいたい常時3〜4冊の新刊をカバンに入れているのだけど、この前なんか、アトランダムに選んだはずなのに、入っているマンガが全部食べ物系だったことがある。もちろん昔から定番ジャンルではあったのだけど、2年ほど前のブームから注目作の勃興状態が続いている。

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世界の終わりとシュールギャグ……悲しいときは「オンノジ」を思い出そう——「オンノジ」(施川ユウキ)

「最近のオススメは?」と100人に聞かれて、100人にとはいわないまでも、80人か90人くらいには自信を持って薦められる作品というのがある。もちろんそれは素晴らしい作品だ。だけど、じゃあ、あくまで個人的に、自分が墓場まで持っていきたい作品は何かと聞かれたら、案外そういう作品じゃなかったりすることがある。

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新ジャンル:ほのぼの暴力4コマ——「彼とカレット。」(tugeneko)

突然ですが、クイズです。週刊アスキーPLUSで連載中の4コママンガ「彼とカレット。」(tugeneko)はどんな作品でしょう? 次の5つから選んでください。

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同棲相手はホワイトボード!? 「見えない」とは最強の萌えなのかもしれない——「のぼさんとカノジョ?」(モリコロス)

「萌え」は、猫耳やアホ毛、ツインテール、メガネッ子など、記号化・定型化文化とともに進化してきたという側面がある。ある意味では、現実以上にビジュアルが担っている意味は大きいかもしれない。だが、「のぼさんとカノジョ?」(モリコロス)は、そのまるで逆の方法で強烈な「かわいさ」を演出している。

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「めでたしめでたし」を許さない冷徹さ——「きのう何食べた?」(よしながふみ)

よしながふみの作品には常に悲劇の匂いがしている。壮大な男女逆転時代劇である「大奥」にせよ、白血病を乗り越えて復学した高校生の青春を描く「フラワー・オブ・ライフ」にせよ、BL作品群にせよ、本人が選択できない何かを背負わされた人々を、よしながは描き続けている。

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