究極のモフリビリティーは鳥のお尻にある! もふもふと癒やしの喫茶4コマ——『とりきっさ!』(ノブヨシ侍)

 動物は2種類しかいない。もふれるやつと、もふれないやつだ。

 というような言葉があるわけではないのだけれども、もふもふ感というのは動物を愛でる観点のひとつとしてすっかり定着した。で、このもふれる感(モフリビリティー)が高い動物としてよくあがってくるのは何かというと、やはり犬(特に子犬)や猫(特に子猫)がその代表。続いて、うさぎやハムスター、パンダや鳥、アザラシといった動物があがってくる感じだ。

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10年代の人外系マンガはどう変遷したのか?——猫耳化する萌え系人外と獣人化する人外彼氏

 一般商業誌における人外マンガブームというのがいわれるようになって久しい。いわれるようになってというか、僕を含めた一部の人たちが「ブームだ」といいだしてからといった方がいいかもしれないが、アニメ放送開始を目前に控えた『モンスター娘のいる日常』(オカヤド)といったヒット作を筆頭に、いわゆる人外系が増えた、「人外系」というフレーズが定着した感はある。

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アラサー版『うる星やつら』の無邪気な楽しさと不穏——『A子さんの恋人』(近藤聡乃)

 「あー、楽しい!」。『A子さんの恋人』(近藤聡乃)の感想を一言でいってしまえばこれだ。レビューとしてはしょうもない一言なのだけれど、「面白い」とか「笑える」とかでなく、「楽しい」というのがこの作品には一番しっくりくる。この「楽しさ」の感覚に近いものを考えたとき、最初に思いついたのは『うる星やつら』(高橋留美子)だった。

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オシャレな新・不倫恋愛マンガが出てきたと思うだろ? 残念、童貞向けバカマンガでした!!——「フリンジマン」(青木U平)

パステルカラーのおしゃれ系カバーに、「学べる愛人の作り方」という帯、おそらく「不倫・自慢」とかけているであろう「フリンジマン」というタイトル。これはまたちょっと大人系の恋愛マンガが出てきたのかなーと思って手に取った。結果、完全に騙された。

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ネガティブ巨人と上からメガネ、凸凹カップルラブコメは「ラブ★コン」からどう変わったか?——「ハル×キヨ」(オザキアキラ)

高身長女子というのが、今年のプチトレンドのひとつだった。身長181cmの中学生・富士山さんを描く「富士山さんは思春期」(オジロマコト)、ちょっぴり背の高い内気な女の子・卯多子を主人公にした「Stand up!」(山川あいじ)と、立て続けに高身長女子ものが刊行開始。そして、さらに今回取り上げる「ハル×キヨ」(オザキアキラ)だ。

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中二病との向き合い方——「とげぬきハトちゃん」(久世番子)

中二病を語るとき、その人もまた中二病に立ち戻っている。そういうことが、実はある。

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仕事における「主役」は誰なのか?——「重版出来!」(松田奈緒子)

「脇役にスポットを当てた作品」といわれるドラマはたくさんある。お仕事マンガというジャンルでは、特にそうだ。出版業界を描いた作品でいえば、「働きマン」(安野モヨコ)なんかが一番知られているだろう。そこでは、出版という世界の、いろんなポジションの人間のドラマが描かれている。

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悲劇の上を走る、軽やかな喜劇——「あるみちゃんの学習帳」(金田一蓮十郎)

金田一蓮十郎作品は、一言でいうとメドローアだ。

メドローアは、「DRAGON QUEST ダイの大冒険」(原作:三条陸/漫画:稲田浩司/監修:堀井雄二)に出てきたオリジナル魔法で、火の魔法・メラと氷の魔法・ヒャドをぶつけることで、とんでもない威力がどうたらこうたらという少年誌らしいハッタリとワクワク感のある呪文だ。ベクトルの違う2つを掛け合わせるこの呪文は「センスがない奴は一生できない」と説明されている。

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