ドラえもんの誕生日である9月3日、川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアムにて、ドラえもんの「特別住民票」贈呈式が行われた。
今年の誕生日は、ドラえもん誕生のちょうど100年前にあたる、ファンにとっては記念すべき日。夏休みも終わったばかりの平日というタイミングにもかかわらず、ミュージアムには朝から1000人を超える来場者が訪れ、この愛すべきキャラクターの誕生日を祝っていた。
住民票の贈呈が行われたのは、ミュージアム3階にある“原っぱ”。「ドラえもん」作中でも頻繁に登場する空き地の土管をイメージしたオブジェの前で、川崎市長の阿部孝夫氏からミュージアム館長の伊藤善章氏に「特別住民票」が手渡された。
阿部市長は川崎市民となったドラえもんに対して「川崎市を代表するキャラクターとして国際社会にアピールしていきたい」とコメント。また、川崎市の住民票の写しなどに、1年間限定で藤子・F・不二雄氏の生み出したキャラクターの透かしを入れていくことに触れ、「川崎市民でないかたは、川崎市民になっていただきたい(笑)」と語り、来場者の笑いを誘っていた。
ミュージアム館長の伊藤氏は、まず開館1周年を迎えたことに感謝の意を示した後、“原っぱ”に集まった多くのファンに「ありがとうございます!」と語りかけた。そして、ドラえもんが市民になったことに関して「原稿のなかのドラちゃん、“原っぱ”にいるドラちゃんに『どんな気持ちですか?』と聞いていただきたい」とコメントした。
老若男女、多くの人が見守るなか行われた贈呈式は、混み合っているにもかかわらず、終始笑顔や笑い声が絶えない和やかな雰囲気で行われた。
特に印象的だったのはフォトセッション(写真撮影会)だ。こうした式典でのフォトセッションは、通常マスメディア向けが中心になり、一般来場者向けに時間が取られることはなかなかない。だが、今回の贈呈式では、館長らがマスコミ向けとは別途、「せっかくだから」と集まったファンのほうを向いて写真撮影に応じていた。また、館長自身も来場者に気さくに声をかけ、話を聞いている姿がしばしば見られた。「当ミュージアムの設立目的はファンへの恩返し」という言葉を体現する一幕だったといえるだろう。
来場したファンも濃かった。ミュージアム広報も「普段よりも熱心なファンのかたが多い印象」と語るように、手製のパネルなどを持って祝福にやってきた人、休みを取って遠方からきた人など、100年に1度のこの日を楽しみにしてきた思い入れの強いファンが会場を埋め尽くしていた。なかには、ちょっと珍しいドラえもんのコスプレをしてきたファンも。ファン同士で写真を撮ったりといった交流も見られた。
開館1周年を迎えたミュージアムでは、今回の贈呈式以外にも、記念フェアをスタートしている。
カフェには「1周年記念ドラえもんスフレアイス」など記念メニューが登場。館内のショップでも1周年記念グッズが販売開始されている。グッズは数量限定とのことだが、「ファンの反応などによっては再販する可能性もある」とのこと。
2F“みんなの広場”には「1周年記念フォトスポット」が設置され、多くの来場者が記念写真を撮っていた。こちらのモニュメントは10月31日まで設置される予定だ。
“原っぱ”には新たにドラミちゃんともしもボックスもオブジェが登場。もしもボックスは実際になかに入り、受話器を構えることもできる。
川崎市 藤子・f・不二雄ミュージアムはローソンチケットでの事前予約制。開館時間は10時から18時で、毎週火曜と年末年始(12月30日~1月3日)が休館日となっている(ただしゴールデンウィークと夏休み期間は休まず開館)。昨年8月3日のオープン以来、これまでに延べ53万7000人が来場している。
記事:ネルヤ編集部
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