TwitterのTLに上がった話題で1週間を振り返る本連載。今週はジャンプに関する話が目立った。
6月4日発売の週刊少年ジャンプ27号より横田卓馬の「こがねいろ」の3話連続集中連載がスタートした。
ウェブマンガ「オナニーマスター黒沢」などで知られる氏の最新作ということも注目ポイントだったが、一部で特に話題を呼んだのは作中のワンシーン。主人公が友人に貸したマンガとして、石黒正数の「外天楼」と思われる単行本がちらりと登場している。
昨年Twitter上で行われた、ハッシュタグによる年間ベストマンガレコメンド企画「俺マン2012」でも、集計結果第1位を獲得するなど、たびたびTLで話題になっている作品だけに、まさかのジャンプ登場に多くのユーザーが驚きや喜びの声を上げていた。
同じく4日には、ジャンプコミックスも発売となったが、今週特に話題を集めたのは「BLEACH」(久保帯人)55巻だ。
今巻は最終章となる「千年血戦編」のスタートを記念して、特定店舗での購入者に数量限定で小冊子をプレゼントするフェアを展開。プレゼントされる小冊子は、店舗特典としては異例の192ページと、単行本とほぼ同ボリュームの豪華なものとなっている。
ジャンプ本誌やニュースでの告知もあり、Twitter上では特典付き単行本を扱う書店を探すファンの声が多く見られ、フェア参加書店からも好調な売れ行きが報告された。
だが、一方でフェアの非対象店舗からは残念がる声も上がった。今回の特典小冊子プレゼントは都内だけでも229店舗が参加するなどかなり大規模なものだったとはいえ、通常の「限定版」などとは違い、あくまで店舗特典。現場書店員としては小冊子付きを販売したくても、フェア参加店舗となっていなければ入荷することができない。
ジャンプ本誌での告知では「(小冊子を)もらえる書店は http:www.j-bleach/でチェック!!」(※)というアナウンスはあるものの、店舗限定である点はあまり大々的に謳われてないこともあってか、問い合わせや「なぜ入荷がないのか」といった声を受けた書店もあったようだ。TLでも自店に特典入荷がないことをアナウンスする店舗も散見された。また、当然売れ行きにも影響は大きく、フェア店舗にユーザーが集中することで過去の巻に比べ、販売数が激減したという苦しいつぶやきも見られた。
店舗限定のフェアや特典は珍しいことではないし、集英社サイドのフェア参加店舗選定の過程などは不明であり、店舗やチェーンの事情が影響していることも考えられるため、一概に不公平であったとはいいがたい。しかし、一方で展開規模の大きさ、特典の豪華さ、作品自体の知名度やファンの多さのため、通常の店舗特典に比べて影響力が大きかったことが、参加店舗、不参加店舗に波紋を呼んだのも事実だ。無料特典はファンにとっては喜ばしいものであり、企業努力としての店舗特典は否定すべきものではないが、そのありようなどについては考えさせられるところのあったフェアだったといえるだろう。
※編集部注:本誌P18の告知の原文ママ。正確なURLは http://www.j-bleach.com/ 。
【お詫びと訂正】
記事初出時、週刊少年ジャンプ27号及び「BLEACH」55巻の発売日を「6月5日」と記載しておりましたが、「6月4日」の誤りでした。お詫びして訂正させていただきます。
記事:ネルヤ編集部
関連リンク
集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト shonenjump.com
BLEACH.com
BLEACH―ブリーチ―10周年フェア
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