さ「在庫のない著者が来た」……「#書店員死亡かるた」でTLに涙があふれる


25日深夜、「#書店員死亡かるた」というハッシュタグが書店員TLを席巻した。

このハッシュタグは、書店員の心が折れる瞬間をかるたふうに投稿する一言ネタタグ。0時過ぎごろに登場すると、あっという間に書店員に広まり、共感と涙を呼んだ。

発端となったのは「ふ 「付録が多すぎてどうしていいかわからない」」というつぶやき。通常、ファッション誌などの大型付録を雑誌といっしょに梱包するのは書店員のお仕事であり、その煩雑さから、マンガの単行本のシュリンク作業と並んで“書店員あるある”系の定番ネタとなっている。付録系ではこのほか「ふ「付録付きで丸くなったコミック雑誌の平台雪崩」」といった、並べにくさについての悩みもネタにされていた。

やはり定番の発注、返本関係も涙を誘うものが多数。「つ「追加をかけたら売れが止まった」」のように、売れている本を追加で入荷すると狙ったように売れ行きが鈍るというネタもあれば、逆に「め 「面陳外した翌週書評に載る」」のように、売れ行きが芳しくないので店頭で減らした作品が突然売れ始めるといった投稿もあり、マーフィーの法則めいたものを感じさせる。「さ「在庫のない著者が来た」」という投稿も、こうした“間の悪さ”を感じさせる秀逸なネタだ。

配本関係では「は「配本0」(※編集部注:売りたい作品などの入荷が0冊だった状態)」というシンプルな投稿も。たった3文字で確実に書店員の心を折るフレーズだ。だが、これも一方で「ち「調整入らず 満数出庫」」という真逆の死亡パターンも挙げられている。書店が入荷したい冊数の希望を出しても、入荷希望の書店が多い場合、在庫の数が足らず、希望よりも少ない数に“調整”されることがある。そのため、実際に欲しい数より多めに入荷希望を出すこともあるのだが、読みが外れて調整が入らず、希望どおり(=満数)入荷してしまった場合、過剰に在庫を抱えることとなってしまう。希望どおりとはいえ、これはこれでつらいというわけだ。

そんな今回のハッシュタグでとりわけ目立ったのは顧客からの問い合わせ関係の投稿だ。「た「タイトルわからないけど、さっきTVで紹介されてたのよ(以下略」」を皮切りに、タイトルなどは一切不明だが、テレビ、ラジオ、新聞などで紹介された本を探しているという、ほぼノーヒントの問い合わせに“死亡”する書店員が多いようだ。なかには「い 『今、野球どっち勝ってますか?』の問い合わせ」という投稿も。もはや本とは無関係だが、本という知識を扱う職業だけに、何でも知っているというイメージがあるのかもしれない。

また、投稿の多くは大変ながら笑える話だが、笑い話ではないマナー違反関係のネタも少なくない。「ひ 平積みの本の上に座る客」のように、大事な売り物をぞんざいに扱うお客さんの存在には怒りの声が上がっている。問答無用の犯罪である万引き関連もやはり浮上。今回は「か「<<カシャッ>> 撮影音。」」といった、写メなどによるデジタル万引きを扱う投稿も複数見られた。万引きはもちろんだが、マナー違反や店頭での写真撮影に関しては、ユーザー側の意識改革が求められるところだろう。

このほかにも、「あ「あまぞんで買おう」 」など秀逸な“殺し文句”が揃った今回のハッシュタグ。TLからは同情や共感の声に加え、書店員の「暴れん坊本屋さん」で知られる久世番子氏にコミカライズして欲しいといった声も上がっていた。

なお、「#書店員死亡かるた」への投稿は現在Togetterにてまとめられている

記事:ネルヤ編集部

関連リンク
#書店員死亡かるた – Togetter

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