17日発売の週刊少年ジャンプ2013年16号で、「重版出来」に「じゅうはんでき」のルビが振られていたことがきっかけとなって、「重版出来」の読み方、慣例が一部で話題になった。
「重版出来」は「じゅうはんしゅったい」が本来の読み方。今回、週刊少年ジャンプの「クロス・マネジ」(KAITO)の冒頭で、「JC『クロス・マネジ』①巻、重版出来ッ!!」の文字に「でき」のルビが振られたことは、読者の間でも誤読ではないかと指摘されていた。
だが、一方で書店員のアカウントなどからは(「しゅったい」が正しいのは承知の上で)、取次や版元の書店営業の人間など含め、現場では「でき」と読む人がほとんどという報告もあり、「重版でき」は「正しくはないものの、現場レベルでは使われる読み」であるようだ。
ただし、編集関係者となるとやはり「でき」は誤読として眉をひそめられるケースが多いようで、「しゅったい」が当たり前という反応が目に付いた。ただし、月刊!スピリッツで「重版出来!」という作品を連載中の松田奈緒子氏によると、「白泉社さんは「でき」」と読ませているそうで、版元によっても文化が異なっているようだ。
ともあれ、正式な読み方とは別に、通例的読み方が機能、定着している場所もある、不思議な用語であることが、改めてわかる一件だったといえるだろう。
記事:ネルヤ編集部
関連リンク
集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト shonenjump.com
小学館 コミック -ビッグコミックスピリッツ~SPINET- 月刊スピリッツ
1件のコメント for WJで「重版出来」に「じゅうはんでき」とルビが振られたことから、「でき」をめぐる考察に
weblio辞書より
(古語)出で来たる
→(漢文読み)しゅつらい→しゅったい(訛り)
→(古語からの流れ)でき
辞典をひけばこういう流れが想像できるし、意味の上でも間違いではない。
非一般的な読みを業界用語として使っているならともかく、これは正誤を言いきれるケースじゃないだろう。
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