河合克敏という人は、僕にとってはちょっと変わった作家だ。いや、スポーツマンガとしては『帯をギュッとね!』も『モンキーターン』も十分王道の部類に入ると思うのだけれども、そうではなく、少年誌ラブコメの担い手としての河合克敏が、である。
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読み終わったあと、改めて『ボーイ★スカート』(鳥野しの)のカバーを眺めたとき、なんだかふと「民衆を導く自由の女神」の絵を思い出した。フランス国旗を掲げ、革命を先導する女性のあの絵だ。スカートを履く少年の姿は颯爽としていて、美しい自由をはためかせているように見えたのだ。
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「大人気!!」とか「大反響!!」とか「全米が泣いた」とか、定番のあおり文句というのはいろいろある。だが、出版社のあおり文句は5割引くらいで見るのが基本だ。よくいわれる笑い話に「週刊誌に第2話が載った時点で『早くも大人気!!』というあおりが入っていた」なんていうのがあるが(週刊誌で第2話の校了までにアンケート結果が出ることは基本ない)、まぁ、売り文句なので何割かは引いてみるのがバランス感覚というものだ。
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高身長女子というのが、今年のプチトレンドのひとつだった。身長181cmの中学生・富士山さんを描く「富士山さんは思春期」(オジロマコト)、ちょっぴり背の高い内気な女の子・卯多子を主人公にした「Stand up!」(山川あいじ)と、立て続けに高身長女子ものが刊行開始。そして、さらに今回取り上げる「ハル×キヨ」(オザキアキラ)だ。
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身長差カップル、背の高い女性と背の低い男性の組み合わせというのは、物語性のある組み合わせだ。お互いが自身のコンプレックスを刺激する存在でありながら、それゆえにコンプレックスを乗り越えさせてくれる存在でもある。自分よりも背が高い・低い存在を求めてコンプレックスから目を背けるのでなく、コンプレックスの根源を愛し、承認してくれる存在にもなり得るからだ。
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恋愛マンガというジャンルは、基本的に冒頭を見た瞬間にラストがわかるようになっている。もちろん、あらすじが詳細にわかるわけじゃないけど、最終的に誰と誰がくっつく話なのかはわかるし、わかるように作られている。
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