ここのところ、月刊少年マガジンがとにかく熱いんですよね。もともと「capeta」(曽田正人)みたいな作品もあり、熱血系のイメージはありましたが、本格三味線マンガ「ましろのおと」(羅川真里茂)あたりから立て続けに熱い文化系作品が出てきている印象が強くなりました。ピアノ少年を主人公にした「四月は君の嘘」(新川直司)も、さわやか・切ない系ながら、根は熱いですしね。
そんなところに出てきたのが競技ダンスマンガ「ボールルームへようこそ」(竹内友)です。1巻を読んだ時点で「また別マガに熱いのがきたかー」くらいに思っていたんですよ。競技ダンスって熱いスポーツなんだ、と。
が、2巻を読んでガラッと印象が変わりました。これは……競技ダンス、エロい!!!
社交ダンスとの出会いが中心だった1巻から、2巻ではいよいよ主人公・多々良がステージに上がり、ますますスポーツマンガ的熱さを増していくのですが、このダンスシーンの色っぽさときたらない。
もちろん社交ダンスですから、男女の体がピッタリとくっついたりする場面があるのは当然なのですが、単に密着するのがエロいわけじゃないんですね。多々良の勢いに引っ張られ、息を切らせて思い切り踊り、上気するヒロイン・雫。その表情はもうエクスタシーです。
さらには作中で語られる「(社交ダンスの)カップル組むのは結婚も同然」という関係性が魅力なんですよね。しずくとのカップル成立をめぐって繰り広げられる物語は、熱いスポーツものであると同時に、略奪愛ものであり、言ったらこれ、ネトラレ……! もうドキドキが止まりません。乳首とか描いてるわけじゃないのに、思わず興奮です。ヤバい(僕の感性が)。
作者の竹内友は、あとがきで子どもの頃、家の柱に裸の女の人の絵を描いていたと述懐していますが、いやぁ、そのセンス、「ボールルームへようそこ」でバッチリ開花してると思います。
(このレビューは2巻までのものです)
記事:小林聖
フリーライター。ネルヤ編集長。Twitterアカウントは@frog88。
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