明治期の横浜、読めばホッと一息つかせてくれる“カフェー”の日常――「ちろり」(小山愛子)



「ちろり」(小山愛子)
かわいさ:★★★★☆
叙情感:★★★½☆
ホッと一息度:★★★★★

「なんてことない話」というのは貴重だ。明治時代の横浜にある“カフェー”を舞台にした本作は、主人公・ちろりのある朝の出来事、衣替えした日、花火の一日など、ちょっとした日常の出来事を描いている。あらすじにすると1行か2行ですんでしまうような、なんてことない話だ。

だけど、本作には独特のみずみずしさがある。あくせくした日常を離れて、実際に穏やかな喫茶店で一休みしているような気持ちになれる。あわただしい一日の終わりに、コーヒーでホッと一息なんてときにお供にしたい作品だ。

【ここにも注目】
舞台が文明開化直後ごろの明治ということで、ちろりをはじめとした登場人物は基本的に着物姿。このときのうなじがですね! するりとやわらかなうなじの描線がですね! もう大変すばら……あ、長くなるからもういい? はい。

(このレビューは第2巻時点のものです)

記事:ネルヤ編集部

関連リンク
小学館コミック -ゲッサンWEB-:作品紹介 ちろり

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