26歳の純朴OL、もう一度恋をマジメに学んでみる――「ブルーバード ブルー」(楠田夏子)



「ブルーバード ブルー」(楠田夏子)

キュート度:★★★★½
コメディ度:★★★½☆
勇気をもらえる度:★★★★★

コイバナというのはたいがい盛り上がるし、面白い。人生観や考え方が如実に出るのか、同じような話でも感じ方や話しぶりは人それぞれなのだ。

本作は気付いたら仕事ばかりで恋を忘れていた26歳の女の子・新海蒼を中心に、同僚たち周囲の人間が恋と生き方を描く連作オムニバスだ。登場人物たちは最後に自分にとっての恋を何かに例えて語る。そんな登場人物たちを見ながら、僕ら読者は蒼といっしょに恋とは何かを学び、「うーん」と考え込むのだけど、学べば学ぶほどわかる。「わかんない」ということが。だけど、本作は同時にわからなくておっかない恋に、「それでも」と、飛び込む勇気をくれる、そういう作品集なのだ。

【ここにも注目!】
レンアイ断食系というと“ネガティブモテない系”のイメージになるけど、本作の主人公・蒼は純朴な女の子というタイプ。心の機微を丁寧にシリアスに描いているけれど、蒼や飼っている鳥のコミカルでキュートなキャラクターもあって、楽しく軽い読み味に仕上がっている。

記事:ネルヤ編集部

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