未来からの手紙めぐる少女マンガ「orange」刊行開始。新鋭・有田直央は2作同時リリース――今週の新刊ピックアップ（2012/07/23～07/29）

Posted – 2012.07.23　nelja編集部　新刊ピックアップ
タグ: アダチケイジ, ツジトモ, やまもり三香, 今日マチ子, 佐藤ざくり, 小川糸, 小村あゆみ, 山下和美, 山岸凉子, 山田芳裕, 岡本健太郎, 岸本斉史, 平尾アウリ, 弐瓶勉, 有田直央, 朝井リョウ, 杉山美和子, 東村アキコ, 森本梢子, 森繁拓真, 森高夕次, 水城せとな, 河原和音, 田丸浩史, 綱本将也, 葉月かなえ, 雲田はるこ, 青木琴美, 高野苺, 鬼頭莫宏

1週間の注目新刊をまとめてチェック。今週は、注目作家の新作が続々登場する。なお、異例の5日間連続刊行を行う、なもり関連の新刊については別記事にまとめているので、こちらを参照のこと。

■「山賊ダイアリー」2巻発売、「グラゼニ」は2カ月連続刊行

週明け月曜日の23日はモーニングなど講談社青年誌系の新刊が発売となる。今月は「のりりん」（鬼頭莫宏）5巻、「シドニアの騎士」（弐瓶勉）8巻、「みかこさん」（今日マチ子）5巻、「へうげもの」（山田芳裕）15巻、「ラブやん」（田丸浩史）17巻、「GIANT KILLING」（ツジトモ/原案・取材協力：綱本将也）24巻、「天才柳沢教授の生活」（山下和美）33巻といったタイトルが並ぶ。

狩猟免許を持つ作者のリアル猟師ライフを描く「山賊ダイアリー」（岡本健太郎）は2巻が登場。鳥や兎の狩り方、さばき方など、普通の暮らしではなかなか知る機会がない狩猟のイロハに触れることができる注目作だ。

プロ野球界にお金の面から切り込む「グラゼニ」（原作：森高夕次/漫画：アダチケイジ）は2カ月連続刊行。今月は6巻が発売だ。

■「となりの関くん」3巻登場、山岸凉子新作も

同じく23日はメディアファクトリーの新刊がリリース。

授業中にチマチマとハイクオリティ一人遊びを繰り広げる新鋭ギャグ「となりの関くん」（森繁拓真）は3巻が登場。机の上を中心に展開されるこだわりの遊びっぷりは中毒性が高い。

雑誌ダ・ヴィンチで連載中の山岸凉子「ケサラン・パサラン」も単行本刊行開始。今作は「これから家を建てようとしている方は決して読まないでください！」と銘打たれる、自宅建設をテーマにした作品だ。

■平尾アウリ新作「OとKのあいだ」登場

24日は月刊コミックバーズ、comicスピカなど幻冬舎の新刊が店頭に。

注目は、「まんがの作り方」などで知られる平尾アウリの新作「OとKのあいだ」1巻。多感な時期の男女を描くことが多い平尾だけに、10代を描く青春オムニバスである本作も楽しみだ。

また、この日は講談社から「好きっていいなよ。」（葉月かなえ）9巻も発売。掲載誌であるデザートの発売に合わせたと思われる変則発売となっているので、ファンは見逃さないように注意しよう。

■高野苺新作「orange」刊行開始、有田直央は2作同時リリース

25日は別冊マーガレット、Cocohanaなど集英社少女誌系の単行本が一斉発売。「うそつきリリィ」（小村あゆみ）8巻、「青空エール」（河原和音）10巻などがラインナップされている。

別マ本誌での連載開始当初からTwitterで話題を呼んでいた高野苺の新作「orange」は待望の1巻がリリース。未来の自分から手紙が届くという、少女マンガとしてはちょっと珍しい切り口の切ない作品だ。また、舞台となっている長野県松本市の描写もリアルで、ローカルネタもそこかしこに散りばめられている。地元書店などはご当地作品として要注目だ。

第2回金のティアラ大賞出身の新鋭・有田直央はCocohana連載の「キャラメルタイム」と、小川糸の同名小説のコミカライズ「つるかめ助産院」、2冊同時刊行。「キャラメルタイム」は、廃校が決まった小さな高校に、昔引っ越していった幼なじみが帰ってくるところから始まる、田舎グラフィティだ。コメディタッチのテンポのいい作風に、笑顔が眩しい純朴主人公・百をはじめとしたキャラクターの魅力が光る、ネルヤ編集部注目の1作。

「失恋ショコラティエ」もヒット中の水城せとな「脳内ポイズンベリー」は、約1年2カ月ぶりの新刊、2巻が到着。恋をしたときに、すぐに盛り上がる自分、冷静な自分、ネガティブな自分などが繰り広げる脳内会議をフィーチャーした異色少女マンガだ。

森本梢子は「デカワンコ」11巻と、新作「アシガール」1巻を同時リリース。「ごくせん」では極道一家出身の女教師、「デカワンコ」では桁外れの嗅覚を持つ女刑事を主人公にしてきた森本だが、「アシガール」の主人公は、なんと戦国時代にタイムスリップした足軽女子高生だ。

東村アキコの新作「かくかくしかじか」も今月刊行開始。本作では、マンガ家を夢見ていた東村アキコの高校時代のエピソードが明かされている。なお、本書は書籍扱いでの出版のようなので、店舗によっては発売日よりも早く店頭に並ぶ可能性も。

このほか、朝井リョウの小説「桐島、部活やめるってよ」のコミカライズ単行本もこの日発売。こちらは、「ひるなかの流星」のやまもり三香や、「マイルノビッチ」の佐藤ざくりなど5人の作家が参加し、1エピソードごとにマンガ化を担当している。

■雲田はるこ、新作BLリリース

同じく25日は、祥伝社のBLアンソロジー誌on BLUEからの単行本がリリースされる。

今月は「昭和元禄落語心中」で注目を集めている雲田はるこの新作BL「新宿ラッキーホール」が登場。ゲイビデオに売られ、ポルノスターとなった美少年が主人公だ。単行本では描き下ろし後日談17ページが収録されている。

■杉山美和子「花にけだもの」新刊、過去作の新装版も

26日は「カノジョは嘘を愛しすぎてる」（青木琴美）9巻など、小学館少女誌系の新刊が並ぶ。

杉山美和子は「花にけだもの」7巻と同時に、ちゅちゅで連載されていた「オレら降臨！」の新装版全3巻が一斉リリースされる。「花に～」のファンはこちらもチェックしてみるといいだろう。

■「NARUTO」、映画公開に合わせて変則発売

毎月4日前後の発売が通例のジャンプ系コミックスだが、今月は映画公開に合わせてか、「NARUTO -ナルト-」（岸本斉史）61巻が27日に変則発売となっている。ファンは忘れずに店頭でチェックしておこう。

※発売日は予告なく変更されることがあります。また、地域によって発売日が異なる場合がありますのでご了承ください。

記事：ネルヤ編集部

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