お寺の娘が描く、俗世の悩みとの向き合い方――「住職系女子」(竹内七生)



「住職系女子」(竹内七生)

ウンチク度:★★★★☆
仏教思想度:★★★★½
女子度:★★½☆☆

このタイトルで、帯でもお寺関係のウンチクが猛プッシュされているので、当然雑学たっぷりのほんわかお寺女子ライフマンガだと思ってしまう。が、読んでみると違うのだ。もちろんお寺ウンチクはたっぷりある。お墓を移転させるときの手続き方法なんて、これを読まなければ知ることはなかっただろう。

だが、物語の骨組みは、失踪した父とその子どもといった家族のイロイロや、水子との向き合い方など、人生の“重い”部分をしっかり描いた人生ドラマ。俗世を離れていくところからスタートして、俗世の人間を救うためのものへと進化していった仏教思想と社会の関わりを改めて今描き出している。

【ここにも注目!】
作者はお寺の娘さん。だからこそなのか、お寺の特別さや特殊さでなく、お寺の“社会に自然に溶け込んでいる”側面がより色濃く出ているのが、僧職マンガとして新鮮!

(このレビューは第1巻時点のものです)

記事:ネルヤ編集部

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