お茶文化探訪マンガから、歴史ドラマにまで発展した“台湾編”――「茶柱倶楽部」(青木幸子)



「茶柱倶楽部」(青木幸子)

ウンチク度:★★★★★
人間ドラマ度:★★★★☆
推理ドラマ度:★★★☆☆

タイトルを見れば分かるように、お茶をテーマにした本作。日本茶をこよなく愛する主人公・鈴が、移動茶店で全国を回りながら、出会った人の人生にお茶を通じて触れていく物語だ。

食べ物でお悩み解決というのは、グルメものの一種の定石。しかし、それにしてもお茶だけでこれだけさまざまなバリエーションや知識を広げられるのはすごい。特に3巻で展開される台湾編では、台湾のお茶産業、戦争との関わりなど歴史ドラマにまで発展させており、数奇な家族関係をめぐるミステリーにもなっている。

【ここにも注目!】
毎回お茶の話なので、どうしても絵的に淡泊になりそうなもの。だが、本作ではお茶や茶器の描写に徹底的にこだわっており、毎回お茶に合わせて鮮やかな茶器を描き、お茶自体も種類によって微妙に描き分けようとしている感じだ。モノクロながら色鮮やかな印象を与えてくれる。

(このレビューは第3巻時点のものです)

記事:ネルヤ編集部

関連リンク
茶柱倶楽部│漫画の殿堂・芳文社

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