超能力ギャグ……だけど、一般キャラの変人ぶりが超能力を上回る――「斉木楠雄のΨ難」(麻生周一)



「斉木楠雄のΨ難」(麻生周一)
ドタバタギャグ感:★★★★☆
主人公のインパクト:★★★★☆
一般キャラのインパクト:★★★★★

超能力なんて何かひとつ使えるだけで反則なのに、テレパシーから透視、テレポートなどありとあらゆる超能力を使えるというのが本作の主人公・斉木楠雄。が、役に立たない。本作では、テレパシーのせいで聞きたくもない本音を聞くことになり、透視は加減が効かず人体模型みたいになる。無敵だけれど残念な超能力ギャグだ。

しかし、実は斉木楠雄の最大の能力はそうした超能力ではない。ツッコミだ。何しろ超能力のない一般キャラが楠雄以上に異常なのだ。温厚そうな父はクズだし、凶悪顔の同級生は超弩級のバカだし、その他クラスメイトたちも基本ボケ枠ばかり。しかもどぎついの。楠雄は本作唯一の超能力者であると同時に、唯一のツッコミ役でもある。楠雄の災難って、超能力じゃなくて周囲の人間関係なんじゃ……。

【ここにも注目!】
何気にちょいちょい入ってくる時事ネタもポイント。「最近はどこも恋愛一色だな」「『ジャンプ』の話じゃない」とか、今だからこそ輝くネタも多い。味わい尽くすなら早めがオススメ!

記事:ネルヤ編集部

関連リンク
斉木楠雄のΨ難|連載作品|集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト shonenjump.com

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