学園モノなら青春に恋愛? そのふざけた幻想をぶち壊すリアル系学園ギャグをピックアップ


「学園生活」というフレーズを聞いて、皆さんはどんなイメージを抱くでしょうか? 新学期、クラスで気になる子が? 部活に燃えたり? 学園祭で結束? なるほどなるほど……はい、全部ウソです。クラスの気になるあの子はサッカー部のイケメンと付き合ってますし、部活はなんだかんだで帰宅部になりますし、学園祭はかったるくてみんな帰ります!!!(※編集長の個人的な思想にもとづいての記載です)

というわけで、今回は“花の学園生活”というふざけた幻想をぶちこわす、リアル(?)日常系学園ギャグを特集します。

“高校生の日常はときめきに溢れている”
まずはその幻想をぶちこわす!!


「男子高校生の日常」(山内泰延)
既刊6巻
思春期感:★★★☆☆
残念度:★★★★☆
バカさ:★★★★★

高校生といったら青春まっただ中。熱い友情に、恋、思春期の葛藤など、キラキラ眩しいドラマがたっぷり……という幻想をぶちこわしてくれるのが、アニメ化もされた人気作「男子高校生の日常」です。本作は、帰り道で木の棒を見つけると、即RPGごっこを始めるような高校生の生態を描き、「男子高校生は所詮でっかくなった小学生だ」という大変重要な現実を教えてくれます。「そんなバカな」とお思いになるかもしれませんが、思い返してみると僕も高校時代階段の踊り場で「踊る大捜査線」の室井さんごっことかしていましたし、大学時代の友人も「スラムダンク」の山王ごっこ(敵のいないコートで思う存分得点して「さすが山王!!」とたたえ合う遊び)をしていたと証言しており、本作の正しさを証明してしまっています。なお、本作は9月についに完結。現在最終話がWebで公開されています。単行本7巻は12月22日発売予定とのこと。

“男子はダメでも女子なら……女子なら甘酸っぱいはず!”
そんな幻想もぶち壊す!!


「ハナチュウ」(青色イリコ)
既刊1巻
思春期感:★★★★½
残念度:★★★★☆
あるある感:★★★★☆

男子がバカなのは仕方ない。だけど、女子ならキャッキャウフフな学園生活を送っているはずだ……とお考えの皆さんに残念なお知らせです。その幻想もぶち壊されました。リアル中学生女子コメディである本作「ハナチュウ」は、クラス内カーストの中盤に位置する派手でもないけど、真っ暗でもない中2女子の生態を描いております。なぜか突然創作ダンスに熱くなったり、指定の上履きでおしゃれ感を出そうと奮戦したりする本作の女子中学生を見ていると、「ああ、女子も基本的におかしいんだ」という現実が見えてきます。甘酸っぱいっていうか、甘しょっぱい。誰だよ、女子中学生はみんな「ゆる○り」みたいな感じだっていったやつ!! ふざけんな!! でも、この人たちなら何か友だちになれそうな気がする!!
→作品ショートレビュー: 3年生の階は確かに威圧感あったよね……NOT“中二病”のリアル中二ライフギャグ――「ハナチュウ」(青色イリコ)

“共学なら……それでも共学ならなんとかしてくれる”
その幻想もぶちこわす!!


「共学高校のゲンジツ」(原作:さぬいゆう/作画:伊丹澄一)
既刊1巻
思春期感:★★★½☆
残念度:★★★½☆
あれ、意外と萌える?:★★★★☆

「男子校ならともかく、共学なら萌え萌えしたイベントが盛りだくさんのはずだ」。そんなイメージをお持ちの男子校出身者の皆さん、こんにちは。残念ですが、その幻想もぶちこわす。本作を読んでいただくとわかるように、共学といえど、女子はスカートの下にジャージはいてたりしますし、突然の雨に降られても基本相合い傘は男同士でしかできませんし、食パンくわえて走っても特に誰にもぶつかりません。ましてや、恋愛フラグが立ってもおおかた男子は気付かずにフラグをベッキベキに折りまくるので、立つ意味が……え、ていうか、フラグ立つの!? 何それ、俺、共学だけどフラグなんて一度も立たなかったけど、どういうことなの!? むしろ「共学に夢なんてなかったんや」という俺の幻想が若干ぶち壊れそうなんだけど!

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