元ホストの園長を描く育児マンガは、実は教師ものなのかも——「赤ちゃんのホスト」(丘上あい)

00年代のマンガの大きなトレンドとして、子育てマンガというのがある。実録系のエッセイを中心に、数々のヒット作が生まれた。背景には少子化・核家族化によって自身の出産・子育てが、初めての育児体験という人が多くなったこととか、働きながらの育児という状況の増加、女性作家自体の増加など、いろいろな要因があるんだと思う。

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マンガ描いてるシーンより下着シーンの方が多い…だと……! 今年一番危険な“ゲスい”「バクマン。」——「俺とSEXすれば売れる」(香穂)

マンガには毎年ブームがある。今年だと、去年刊行開始された「ハイキュー!!」(古舘春一)からの流れか、「不沈アタッカー」(粂田晃宏 )、「神様のバレー」(原作:渡辺ツルヤ/画:西崎泰正)とバレーボールマンガがジワリと存在感を増している。

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空腹を知らない不幸——「王様達のヴァイキング」(さだやす/ストーリー協力:深見真)

「これは——のちに王冠を抱くことになる二人の、宝探しの航海記である」。「王様達のヴァイキング」(さだやす/ストーリー協力:深見真)は、第1話のラストでそう宣言している。

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メイクがくれる「身の丈」を超える勇気――「リメイク」(六多いくみ)

「身の丈を知る」っていうのは大事なことだ。無根拠な自信と肥大化したプライドを持つ続けたまま生きていくっていうのは、できるかもしれないけど、並大抵のことではない。けど、身の丈を知って、大人になった頃、偉い人たちから「身の程なんて知らなくていい!」なんてメッセージを受けたりする。「小さくまとまるな」というやつだ。思い返すと、僕も「じゃあ、結局どうすりゃいいのよ」と、随分戸惑ったり苛立ったりしてた気がする。

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アラサーの新たな旗手が描く、「29歳の自由」という不幸——「おんなのいえ」(鳥飼茜)

何年くらい前からだろう。アラサー女子という世代を、多くの女性作家が描くようになった。そして、そういう作家たちのなかで、今もっとも不確かな不安を的確に突いているのは鳥飼茜だと思う。

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仕事における「主役」は誰なのか?——「重版出来!」(松田奈緒子)

「脇役にスポットを当てた作品」といわれるドラマはたくさんある。お仕事マンガというジャンルでは、特にそうだ。出版業界を描いた作品でいえば、「働きマン」(安野モヨコ)なんかが一番知られているだろう。そこでは、出版という世界の、いろんなポジションの人間のドラマが描かれている。

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水谷フーカとラジオという幸福なカップル――「満ちても欠けても」(水谷フーカ)


「満ちても欠けても」(水谷フーカ)
ハートフル:★★★★½
恋愛:★★★★☆
ラジオ愛:★★★★★

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