大物ひしめく新刊のなかでも「銀の匙」は別格。売り切れ続出のマーガレット「ベルばら」号は連載作を再掲中(今週のバズタイトル)


Twitterの言及数からマンガの話題をピックアップ。話題を呼ぶ大型タイトルのなかでも、バズの呼び方には違いも……。

【話題のバズタイトル】

■「コミックメガストア」突然の休刊に反響(4月23日=1908件)

コアマガジンの成年向けマンガ誌「コミックメガストア」が突然の休刊を発表。23日に書店アカウントなどにより休刊の連絡があったことが明かされると、まとめブログなどにも取り上げられ、ピーク時1908件の言及がなされた。その後、版元であるコアマガジンからも正式に告知が出され、休刊が事実であることがわかった。

休刊の場合、事前に告知があり、最終号が出るのが普通だが、今回は発売中の2013年6月号をもって休刊するという異例中の異例のパターン。コアマガジンには事前に警察の家宅捜索があったという報道もあり、猥褻物頒布などいわゆるエロ表現関係での取り締まりが行われた結果であるといわれている。有名誌の休刊というだけでなく、規制問題、異例の休刊パターンなどさまざまな面から波紋を呼んだ一件となった。

■「ベルばら」約40年ぶりの復活で特別措置も(18日=3111件)

創刊50周年を迎えたマーガレット10号に、「ベルサイユのばら」(池田理代子)の新作読み切りが別冊付録として付属。約40年ぶりの新作とあって、20日の発売に先立って18日にメディアで報道されると、3000件を超える言及を記録した(「ベルばら」で検索)。

ベルばら読み切りの別冊付録がついた同誌10号は売り切れが続出。入手できなかった読者も多かったようで、現在マーガレットの公式サイトで手に入らなかった読者向けに連載作品20作品の掲載分を無料配信している。掲載は6月4日24時まで。ただし、ベルばら読み切りは公開されていないので注意。

なお、マーガレットは現在すでに11号が発売されている。

■「こどものじかん」連載が完結(4月24日=547件)

22日に発売されたコミックハイ!で「こどものじかん」(私屋カヲル)が完結。長期連載作の完結ということで、雑誌発売日から話題を呼んでいたが、23日にまとめブログで取り上げられ、翌24日アキバBlogで記事化された時点がバズのピーク。546件の言及を記録している。

雑誌掲載時点でバズを呼んでいる点からも、完結巻発売時も一定のバズは獲得しそうだ。

【新刊バズ】

■「銀の匙」、大物タイトルのなかでもひときわ勢い(4月18日=8285件)

23日に「バガボンド」(井上雄彦)35巻、25日に「荒川アンダー ザ ブリッジ」(中村光)1年9か月ぶりの新刊・13巻が発売されるなど、大型タイトル新刊が並んだ4月後半だが、なかでも頭ひとつ抜けたバズを呼んだのは「銀の匙 Silver Spoon」(荒川弘)。新刊発売当日で、「バガボンド」が2031件、「荒川アンダー ザ ブリッジ」が921件を記録しているが、「銀の匙」は7巻発売の18日、8000件オーバーをマーク。

昨年のマンガ大賞受賞や、アニメ化決定など、文句なく注目度の高いタイトルだが、アニメ放送開始前で、刊行ペース的にも安定しているというなか、新刊登場がこれだけの話題を呼ぶのは別格感がある。

■「暗殺教室」は連載時の反響も強い(5月2日=7738件オーバー)

5月2日、連休の谷間に「暗殺教室」(松井優征)4巻が発売。昨年11月の1巻発売時点から驚異的な売れ行きを記録しているタイトルだけあり、4巻発売時も7700件オーバーの言及数を記録と、早くも貫禄を見せつけている。

単行本発売時に言及ピークが来ているのは当然だが、面白いのは掲載誌である週刊少年ジャンプ発売時にもバズが伸びている点。平時から1300〜1500前後の言及数があるが、雑誌発売時は2000〜3000件の言及と、単行本に比べれば山は小さいが、確実に言及数が増加している。単行本中心の傾向が強くなっているマンガ市場だが、ジャンプという雑誌に関しては他誌と比べても雑誌の力が強く、雑誌掲載中心に読む読者をきっちり確保しているのを感じさせた。

■「あ〜る」「うしとら」「GS美神」が復活! 「ヒーローズ・カムバック」待望の単行本発売(4月30日=1241件)

震災復興支援プロジェクトとしてスタートした企画「ヒーローズ・カムバック」が、30日に待望の単行本化。発起人である細野不二彦の「ギャラリーフェイク」や、ゆうきまさみの「究極超人あ〜る」、吉田戦車の「伝染るんです。」、藤田和日郎の「うしおととら」、高橋留美子の「犬夜叉」、椎名高志の「GS美神 極楽大作戦」など、伝説的ヒット作が読み切りで復活する本企画は、雑誌掲載時から大きな反響を呼んでおり、今回の単行本化のタイミングでも1200件以上の言及を記録している。

「うしとら」で265件(「うしおととら」では189件)、「美神」で271件、「ギャラリーフェイク」が138件と、復活した作品単位でも改めて話題を呼んでいた。

■「にこたま」完結巻発売(4月23日=551件)

完結で話題を呼んだ作品としては、仕事、結婚、子作りといったアラサー男女の不安や悩みを切り取った「にこたま」(渡辺ペコ)完結5巻の注目度が高い。発売当日で551件の言及をマークした。

「発売した」という事実に触れるだけでなく、内容についての感想、悶絶する様子などが多くつぶやかれており、内容、テーマ的に読者に刺さる部分が大きかったことを改めて感じさせるバズだった。

記事:ネルヤ編集部

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関連リンク
「コミックメガストア」休刊のお知らせ│コアマガジンWeb
集英社 マーガレット公式ホームページ
株式会社双葉社 | コミックハイ!
銀の匙 Silver Spoon(エゾノー)〈公式サイト〉|小学館
暗殺教室|連載作品|集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト shonenjump.com
ヒーローズ・カムバック | ビッグ コミックス スペシャル | ビッグ コミックス系 | コミックス | 小学館
モーニング公式サイト – 『にこたま』作品情報

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