今一番かわいい別マ男子! 鬼瀬くんというバカ正直でまばゆい直球——「ハニー」(目黒あむ)



胸キュン:★★★★★
キュートさ:★★★★★
表情:★★★★★

「ハニー」の魅力を伝えるのは案外難しい。高校入学直後に、校内で恐れられる不良の鬼瀬くんに告白されて怯えまくる主人公・奈緒だが、この鬼瀬くん、実は不器用で優しい男の子で……というのがあらすじなのだが、あらすじだけ文字にすると「何世代前のベタだ」と思われてしまう。だけど、読むとキュンとしてしまう。ヒロイン・奈緒はもちろんだが、鬼瀬くんがべらぼうにかわいくて、読むほどにどんどん夢中になってしまう。

たとえば、最初の告白シーン。いかつい鬼瀬くんが、いきなり花束を抱えて「結婚を前提としてお付き合いして下さいって言ってんだよ」とシーンは、不器用で笑ってしまうほど滑稽で、でも、温かくてキュートだ。何度読んでも、グッとくる。鬼瀬くんはバカ正直な直球しか投げられない人なのだ。そして、「ハニー」という作品もド直球だ。飛び道具的な物語やフックはほとんどない。だけど、鬼瀬くんの笑顔ひとつで、奈緒の照れた顔ひとつで心をつかむ、そういう確かな実力に裏打ちされた直球は、どんな変化球よりも鮮やかでまぶしい。愛おしいと思う気持ちを思い出させてくれる幸福な作品だ。

【ここにも注目!】
何かにつけてちょいちょい髪の色や髪型を変える鬼瀬くんの七変化ぶりも、割と毎回の楽しみになっています。

(このレビューは第1巻時点のものです)

記事:ネルヤ編集部

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ハニー 目黒あむ

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