世界の“底”としての親――「人間仮免中」(卯月妙子)

ダンナの事業の失敗からスカトロAVに出演し、子供の頃からの統合失調症が悪化、それでも子供を育て……。そんな日々をあけすけともいえる素直さで綴ったエッセイマンガ「実録企画モノ」「新家族計画」の卯月妙子が10年ぶりに「人間仮免中」を出版した。

「人間仮免中」では前作以降の日々が綴られる。ダンナが死亡し、閉鎖病棟と自殺未遂を経験した後、それでも落ち着いていた36歳の卯月が、ボビーという25歳年上の男性と恋人同士になる。細かなエピソードの積み重ねで綴られる二人の生活は、もちろん前作同様、決して平坦な日々ではない。が、そんな日々を卯月は、これまでの作品よりもよりあっけらかんとした湿度の低い口調で綴っていく。

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「こえでおしごと!」8巻限定版の付録はまさかの“催眠オナニー”CD――今週の新刊ピックアップ(2012/6/25~7/1)

注目の新刊をまとめてチェック。6月最終週の今週は、週末だけでなく、週明け月曜にも新刊が集中している。週末まとめ買いのつもりでいると、大量の新刊で荷物が重くなりそう。週内で2回くらいは書店に行っておきたいところだ。

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「クールジャパン」はテレビ不況が生んだ?――世界第2位のマンガ大国・フランスルポ

メディアによる報道などもあって、世界で日本のマンガやアニメが流行していることは多くの人が認識していることだろう。しかし、実際に海外でどのようにマンガが受け入れられ、市場を築いているかは、詳しく報じられる機会が少ない。

たとえば、「日本に次いでマンガの売り上げが大きい国」と聞かれて即答できる人は多くないだろう。イメージ的には国の大きさもあって、アメリカあたりを想像する人もいるだろう。

実は答えはフランス。人口でいえばアメリカの6分の1ほどしかないこの国が、日本に次ぐマンガ大国なのだ。では、いったいフランスではどのようにして日本のマンガが受け入れられていったのだろうか?

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「初恋」と「最後の恋」が交差するとき――「たまりば」(しおやてるこ)

「16歳の女子高生が、28歳のサラリーマンを好きになったらだめですか?」。

完結巻である「たまりば」(しおやてるこ)2巻の帯にはそんな問いかけが入っています。それで僕は思わず、うーん、と唸るわけです。15年、いや、せめて10年前、21歳の僕なら「いいだろ」って即答していたんじゃないかなぁ。もしかしたら、そんなことを問いかけること自体バカバカしいと切り捨てたかもしれない。「年齢で好きになるわけじゃないだろ」って。

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なにわ小吉新作ギャグや1年10カ月ぶり「江古田ちゃん」新刊など発売――今週の新刊ピックアップ(2012/06/18~6/24)

今週発売の注目コミックをまとめて紹介。今週は週頭から週末まで連日注目作の発売の発売が予定されており、書店の新刊コーナーもどんどんリフレッシュされていく賑やかな1週間になりそうだ。

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【ウィークリーTLトピックス】書店の棚をもっとTwitterに! 書店員クラスタで共感の声(2012/06/07~06/13)

Twitter上のトピックスで1週間を振り返る本連載。今週は、書店のTwitter、ウェブ活用の話題が注目を集めた。

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リアルとファンタジーの間隙を突く、新・中二病コメディ――「オッドアイ少年」(銅☆萬福)

マンガにおいて「中二病」というのは、すごく不安定なフレーズだったりします。

「中二病マンガ」という場合、おおむね「中二病っぽい展開のマンガ」と「中二病のキャラクターが登場するマンガ」に分かれます。

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「ヤンメガ」吉河美希の新シリーズ「山田くんと7人の魔女」が刊行開始――今週の新刊ピックアップ(2012/06/11~06/17)

今週発売の注目新刊をまとめてチェック。6月第3週は注目作の久々の続刊登場が目立つ。

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【ウィークリーTLトピックス】「BLEACH」単行本1冊分の豪華特典が書店クラスタに波紋(2012/05/31~06/06)

TwitterのTLに上がった話題で1週間を振り返る本連載。今週はジャンプに関する話が目立った。

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“何でも叶える”小太り妖精が「200円の缶コーヒー」を頼まれるのはなぜか?――「ジョナ散歩」(ケイケイ)

タイトルを見た瞬間「クソ、負けた」と思わせる作品ってありますよね。一体何に負けたのか、僕が何と戦ってるのかはわからないんですけど。

今回ご紹介する作品がまさにそれです。だって、「ジョナ散歩」ですよ? 主人公がジョナサンで「ジョナ散歩」。思わず声に出したくなるこのタイトル。しかも、このジョナサン、妖精ですから。この小太りでメガネをかけた、手のひらサイズのオッサンが。つまりどういうことだってばよ。

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ギャル、カメラ女子、モンペ……風刺ギャグ界に平成人類めった斬りの新星――「拝啓、旧人類様。」(野田宏)

時事社会ネタ、風刺ネタというのはギャグの定番のひとつです。「笑い」自体が、常識や現在の価値観を少しズラすことで生まれると分析されたりもしますし、風刺は笑いの基本中の基本ともいえます。

しかも、商業誌でやる風刺ギャグって本来の風刺的面白さだけじゃないでしょ? そう、チキンレース的スリルもあるわけです。

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「友情・努力・勝利」が本気を出した、小細工なしの王道スポーツマンガ――「ハイキュー!!」(古舘春一)

正直にいうと、もうジャンプ作品で熱くなることなんてないと思ってたんですね、僕。立派な大人ではないにせよ、さすがに31歳ともなると、少年誌って年じゃないですから。頑張ればかめはめ波打てるようになるんじゃないかとか、風呂場で気をためてみたりしないわけです。自分より強いやつに会ってワクワクしたりする少年の気持ちとかもう全然理解できない。「住民税たけえな!! オラ、ワクワクすっぞ!!」とかいえない。普通に負けて死ぬ。

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「バチバチ」第1部完結巻、8日に登場! 第2部は本誌連載中――今週の新刊ピックアップ(2012/06/04~6/10)

月曜にジャンプ系新刊の発売となり、新しい月が始まったことを実感する今週。金曜日の8日には90点以上の新刊が発売予定となっているなど、今週も注目の新刊が続々登場する。

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