女子高生×童貞妄想ギャグ! これはいわば禁断の童貞女体化だ――「ゾンビッチはビッチに含まれますか?」(柊裕一)


「ゾンビッチはビッチに含まれますか?」(柊裕一)
下ネタ妄想:★★★★☆
バカ:★★★★☆
悔しい、萌えちゃう:★★★★☆

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人はなぜ祈るのか? 孤独と救済をめぐる祈りの物語――「星屑クライベイビー」(渡辺カナ)

この国で今、真剣に神様の存在を信じている人は、たぶん少ないだろう。倫理の守り手として心のなかに神様を持っているというようなことはあっても、神様が実在して世界を司っている思うには、社会はちょっと窮屈だ。

だけど、そういう時代であっても、人はしばしば心許ない神様に願いをかけることがある。なぜ人は意味がないとわかっていながら、それでも祈るのだろう。

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魔法少女はなぜ“少女”なのか? その答えの先にある物語――「魔法使いの心友」(作画:香魚子/原作:柚木麻子)

由緒正しい少女マンガのモチーフである魔女ッ子・魔法少女だが、なぜ彼女たちがみな「少女」なのかということに関してはさまざまな議論がある。単純に「少女のための物語だから」ということもできるが、では、なぜ魔法少女は少女のための物語なのだろうか?

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未婚30代にとっての、海江田のリアリティ――「娚の一生 4 結婚」(西炯子)

「結婚は人生の墓場」なんて言葉があるけれど、ある年齢にとって、たぶん結婚はまさに“墓場”なんだと思う。「結婚なんて最悪だ」という意味ではない。むしろ逆の意味だ。

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悪意なき王国の“悪意”に翻弄される少年少女――「王国の子」(びっけ)


「王国の子」(びっけ)
ファンタジー性:★★★☆☆
悲劇の匂い:★★★★½
色気:★★★★½

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気持ちが見えてもなお、恋は難しく、愛おしい――「恋愛視角化現象」(秋★枝)


「恋愛視角化現象」(秋★枝)
ほっこり感:★★★★☆
ピュア感:★★★★☆
人外萌え:★★★☆☆

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“卒業”としての恋物語――「路地恋花」(麻生みこと)

「大人の恋物語」というと、不倫や肉体関係をめぐる物語のイメージが強くなる。だけど、「路地恋花」(麻生みこと)は、そういうのとは異なる大人の恋模様を描いている。

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少女のイノセンスが見せる、まばゆさとかすかな痛み――「忘れ雪の降る頃 高尾滋作品集」(高尾滋)


「忘れ雪の降る頃 高尾滋作品集」(高尾滋)
ときめき感:★★½☆☆
切なさ:★★★★½
純潔感:★★★★★

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学校の世界にやってきた、一足早い“社会”――「VIVO!」(瀬川藤子)

「GTO」(藤沢とおる)、「ドラゴン桜」など、教師マンガにおける先生というのは、型破りなキャラクターが多い。

「VIVO!」(瀬川藤子)の主人公・ナカムラも変わり者だ。超個人主義で生徒に興味もないし、そもそも教師になったのも成り行きだから、早く辞めたいと思っている。仕事ぶりだっていい加減で、学校行事だって平気でサボる。

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紙の上でどうやって音楽を奏でるか? そのひとつの解答——「四月は君の嘘」(新川直司)

紙はコンサートホールでもミュージックプレイヤーでもない。だから、決して音を鳴らさない。

この当たり前でシンプルな事実は音楽マンガにとって永遠の課題だ。音の鳴らない世界で、音楽の感動を読者に伝えなくてはならない。

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超能力ギャグ……だけど、一般キャラの変人ぶりが超能力を上回る――「斉木楠雄のΨ難」(麻生周一)


「斉木楠雄のΨ難」(麻生周一)
ドタバタギャグ感:★★★★☆
主人公のインパクト:★★★★☆
一般キャラのインパクト:★★★★★

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うつろわぬ景色としての枕草子と、うつろいゆく景色としての超訳・枕草子――「春はあけぼの 月もなう 空もなお」(サメマチオ)

「春はあけぼの……」という一節は、日本でもっとも有名な文章のひとつだろう。この一節だけならまるまる暗記しているなんて人もいるはずだ。

「春はあけぼの 月もなう 空もなお」(サメマチオ)は、そんな枕草子の超訳版だ。枕草子の一節を取り上げ、現代の風景に置き換えてつづっている。

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孤独をはき出すための深呼吸——「魔法のつかいかた」(草間さかえ)


「魔法のつかいかた」(草間さかえ)
ファンタジー度:★★★☆☆
日常度:★★★★☆
孤独感:★★★★☆

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泣き顔、歯茎……“ちょっとイビツ”な顔と不器用少女の萌えっぷり――「宮田書店へようこそ! 水あさと短編集」(水あさと)


著者: 水あさと
「宮田書店へようこそ! 水あさと短編集」(水あさと)
青春度:★★★★☆
不器用ガール度:★★★★★
泣き顔:★★★★★

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今もっとも書店員TLを沸かせる、穂積という静かな衝撃――「式の前日」(穂積)

穂積という恐るべき新人は、極めて静かに登場した。

騒がれていないという意味ではない。むしろ9月10日の発売前後から、僕のTLにいる書店員などの間で異様なまでに語られ、絶賛されている。ユーザーによるブックレビューサイト・ブクログでも、13日時点で過去1週間の登録ランキング1位を獲得した。新人の初単行本で、しかも一般になかなか動かないといわれる短編集が、だ。

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自分のために時間をかけることを忘れた人たちに——「いつかティファニーで朝食を」(マキヒロチ)

1週間前に何を食べたか、パッと思い出せるだろうか? 少なくとも僕は思い出せない。「そもそも1週間前って、えっと、何してたっけ?」という感じだ。

記憶力の問題といわれればそうなのかもしれないけれど、やっぱり人は日々の些事はすぐに忘れていってしまうものだ。そう、思い出せないというのは、つまり自分にとって些事だったのだ。

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ホクロからレーザーが出る。マジで——「プラスチック・サージェリー」(円城寺真己)

「面白い作品があるよ」といわれたら、たいてい「へー、どんなの?」と聞き返すでしょう? そしたら、返答が「ホクロからレーザーが出る」。

「え?」
「ホクロからレーザーが出る」
「え?」

まぁ、だいたい会話にならない。自分の耳か、相手の頭がおかしいと判断されるし、最悪そのまま病院送りにされる。親戚の間で「気の毒な人」みたいな噂が立つレベルだ。

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高齢童貞・処女はどのように生まれるのか? その痛みとリアリティ――「Hatch」(村上かつら)

その昔、2ちゃんねるには独身男性板という板があった。正確には今もあるのだけれど、現在は独身男性板から分割される形で、モテない男性板などの諸掲示板ができており、過去の独身男性板とは別のものになっている。

分割前の独身男性板にはある種の不文律があった。「25歳以下は黙ってろ」だ。当時20歳そこそこだった僕は、なんでそんな言説がまかり通るのかと不条理に思いながら見ていたけれど、実際自分が30歳を過ぎる頃になると、なんとなく25歳ルールの意味がわかるようになってきた。

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新世代ウルトラマンは、実は仮面ライダー的?——「ULTRAMAN」(清水栄一×下口智裕)


「ULTRAMAN」(清水栄一×下口智裕)
初代再現度:★★★★☆
新世代度:★★★★★
孤高感:★★★★☆

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ロボットが私たちに似ているのか、私たちがロボットに似ているのか――「機械仕掛けの愛」(業田良家)

心を持ったロボットがヒューマニズムを発露するというモチーフは、日本のロボットSFにおける王道中の王道だ。業田良家は、「ゴーダ哲学堂 空気人形」などの諸作品でこのモチーフを執拗に描いており、本作「機械仕掛けの愛」もその流れにあたる。

ある意味ではすでにレトロなテーマであり、言葉で説明するといまや陳腐にすら見える。だが、作品は陳腐ではない。

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このSFは「すこし・ふつう」だ! 日常に擬態した異世界――「成程」(平方イコルスン)


「成程」(平方イコルスン)
日常度:★☆☆☆☆★★★☆☆
シュール度:★★★★☆
変幻自在度:★★★★★

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ドM男とドS女子高生の、なぜか甘ったるいラブコメディー――「待て!モリタ」(松本藍)

「マゾもの、SM系マンガなんですよ」というと、どういうイメージを持つだろうか? 好き嫌いはともかくとして、とりあえずかなり変態入った話を想像するんじゃないかと思う。

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「恋はいつでも恐ろしい」を思い出させてくれる、女7人百合物語――「私の世界を構成する塵のような何か。」(天野しゅにんた)

「私の世界を構成する塵のような何か。」(天野しゅにんた)
ほのぼの度:★★½☆☆
ピュア度:★★★★☆
繊細度:★★★★½

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